時は待ってくれない 小田和正 著 PHP研究所
2017年にBSプレミアムで放送された番組「100年インタビュー完全版~アーティスト小田和正~時は待ってくれない」をもとに原稿を構成し、単行本化された本です。図書館で借りて読みました。この番組は昨年放送時に終わりのほうの数分だけ偶然に見かけました。番組の頭から見ていなかったので、全体の内容を知りたいなあと思っていました。今回その番組の内容を著した本が出版されたというのを知って読んだ次第です。『時は待ってくれない』のこの本には、ずっと前に読んだ『小田和正ドキュメント1998-2011』の本の中に記載されていた内容と同じことも少し記載されていて、思い出しながら読みました。中学・高校時代は野球部で野球をされていた話、中学時代に『ティファニーで朝食を』の映画の主題歌『ムーン・リバー』を聞かれて衝撃を受けられたという話、高校時代の学園祭のときにステージ上で歌われたことがオフコースの原点だったという話、建築学を学ばれていた大学生時代には音楽と建築のいわば二刀流だったそうで、どのようにして音楽の道に進むことになったかという話など小田さんと音楽を結び付けて行った軌跡が自らの生の声で語られていました。曲を作るときはコードに流されないでメロディーだけを最初に作って行かれ、後に歌詞をつけて行くという話は興味深かったです。その歌詞はとってつけた言葉よりはありふれた言葉で表現するほうがインパクトが強いという話なども記載されていました。小田さんが作られた曲を聞くと、なぜか歌詞よりも先にメロディーだけがいつも頭に残っているのは歌詞が後から付けられているせいかもしれないなあと思いました。コンサートで、現在も花道を走り回られているきっかけとなられた理由もこの本を読むとよく伝わってきます。小田さんの音楽に対する考え方や真摯な向き合い方を通してひたむきな生き方を示されているかのような気がしました。自らの歌と行動で音楽を通して伝えたいことを常に発信しながら多くの人を感動させるアーティストの真の言葉は熱いものがありました。この本の最初に、「時は待ってくれないから、目いっぱい走った。でも、本当にがんばろうと思っている人には、時はきっと待ってくれる。「ときは待ってくれないから、急げ」ということじゃなくて、何かを一生懸命やろう、何かをスタートするということが大事なんだ。本当にやりたいなと素直に思うことがあるならば、時はきっと待ってくれる。夢を追いかける人のために、時は待ってくれる。」と書かれていました。時に対する概念や考え方がいつも小田さんの多くの歌にも表現されていたのを思い出しました。最後のページには、100年後に生きている方々に向かって発せられたメッセージが掲載されていました。「(中略)たとえ、どんなに変わったとしても、きっと空は、ただ青く、こんなふうに、やさしい風が吹いているんだと思います。その風を感じながら、同じ時代を生きる、かけがえのない仲間たちと力を合わせて、この国を、君たちの誇れる国にしていってください。心からそれを願いっています。」というメッセージでした。小田さんの歌詞の中に多く使われている、風や空を盛り込んだこのメッセージにも後世の人たちに向けられた熱い願いが込められていました。1時間ほどで電車の中で読み終えることができた読みやすい本でした。
2017年にBSプレミアムで放送された番組「100年インタビュー完全版~アーティスト小田和正~時は待ってくれない」をもとに原稿を構成し、単行本化された本です。図書館で借りて読みました。この番組は昨年放送時に終わりのほうの数分だけ偶然に見かけました。番組の頭から見ていなかったので、全体の内容を知りたいなあと思っていました。今回その番組の内容を著した本が出版されたというのを知って読んだ次第です。『時は待ってくれない』のこの本には、ずっと前に読んだ『小田和正ドキュメント1998-2011』の本の中に記載されていた内容と同じことも少し記載されていて、思い出しながら読みました。中学・高校時代は野球部で野球をされていた話、中学時代に『ティファニーで朝食を』の映画の主題歌『ムーン・リバー』を聞かれて衝撃を受けられたという話、高校時代の学園祭のときにステージ上で歌われたことがオフコースの原点だったという話、建築学を学ばれていた大学生時代には音楽と建築のいわば二刀流だったそうで、どのようにして音楽の道に進むことになったかという話など小田さんと音楽を結び付けて行った軌跡が自らの生の声で語られていました。曲を作るときはコードに流されないでメロディーだけを最初に作って行かれ、後に歌詞をつけて行くという話は興味深かったです。その歌詞はとってつけた言葉よりはありふれた言葉で表現するほうがインパクトが強いという話なども記載されていました。小田さんが作られた曲を聞くと、なぜか歌詞よりも先にメロディーだけがいつも頭に残っているのは歌詞が後から付けられているせいかもしれないなあと思いました。コンサートで、現在も花道を走り回られているきっかけとなられた理由もこの本を読むとよく伝わってきます。小田さんの音楽に対する考え方や真摯な向き合い方を通してひたむきな生き方を示されているかのような気がしました。自らの歌と行動で音楽を通して伝えたいことを常に発信しながら多くの人を感動させるアーティストの真の言葉は熱いものがありました。この本の最初に、「時は待ってくれないから、目いっぱい走った。でも、本当にがんばろうと思っている人には、時はきっと待ってくれる。「ときは待ってくれないから、急げ」ということじゃなくて、何かを一生懸命やろう、何かをスタートするということが大事なんだ。本当にやりたいなと素直に思うことがあるならば、時はきっと待ってくれる。夢を追いかける人のために、時は待ってくれる。」と書かれていました。時に対する概念や考え方がいつも小田さんの多くの歌にも表現されていたのを思い出しました。最後のページには、100年後に生きている方々に向かって発せられたメッセージが掲載されていました。「(中略)たとえ、どんなに変わったとしても、きっと空は、ただ青く、こんなふうに、やさしい風が吹いているんだと思います。その風を感じながら、同じ時代を生きる、かけがえのない仲間たちと力を合わせて、この国を、君たちの誇れる国にしていってください。心からそれを願いっています。」というメッセージでした。小田さんの歌詞の中に多く使われている、風や空を盛り込んだこのメッセージにも後世の人たちに向けられた熱い願いが込められていました。1時間ほどで電車の中で読み終えることができた読みやすい本でした。