無作為に抽出された自分宛のアンケートが届きました。こういう無作為のものはよく当たりますが、宝くじとかは一向に当たりません。宝くじとかが当たってくれたら嬉しいのにと思いながらアンケートに記入しました。アンケートの最後に記述式の記載箇所がありました。最近、よく思うのですが、若いときには感じなかったのですが、私が住んでいる大阪市内と職場の近辺の大阪市内の地域を振り返ってみたら、街中に、歩き疲れたときなどに休憩するような椅子やベンチが少ないのではないのかなと思いました。少し前に比べたら、自宅の最寄り駅のJRの駅構内にベンチが置かれるようになったり、JR大阪駅の構内にもベンチが置かれるようになり、座ることができる場所が増えてきました。けれど、職場の最寄り駅のJRの構内やその近辺には駅の構内が狭いせいか、ベンチは置かれていなくって、少し疲れたときなどに腰を掛ける場所が全くない状態です。街中を歩いていても商店街を歩いていても誰もが休憩できるようなほっこりできるような椅子がないのです。少し前にNHKで取り上げられていた、吉祥寺の赤い椅子プロジェクトのような取り組みが大阪にも本当に広がればいいなあと思っていました。そのことを最後の記述式の箇所に書いて投函しておきました。統計的に処理されるそうで、無記名で率直な意見をと記載されていたので、思い当たったことを率直に記入できました。
あなただけの、咲き方で 八千草薫 著 幻冬舎
先日、88歳でお亡くなりになった女優八千草薫さんのエッセイです。書店の店頭に並んでいたので買って読んでみました。八千草薫さんを初めて知ったのは「ややととさん」というドラマを家族が自宅でテレビでずっと見ていたので私も一緒にこのドラマを時々見ていた頃でした。そのときに受けた八千草さんのイメージも年を重ねられてからのイメージも、いろいろな役をされておられても変わることがほとんどありませんでした。以前、「優しい時間」というエッセイをだいぶん前に読んだことがありました。そのときからもだいぶん時間が経っているのですが、この本に書かれていたことも「優しい時間」に書かれていたことも、伝わってきたことは変わらなかったように思いました。役者として演じておられた八千草さんがいろいろな役を演じられてこられたのを拝見してきましたが、優しそうで柔和な表情からは察し難いような、凛としたものや揺るがないものをずっと持たれていたことがこの2冊の本を通したら同じような変わらないものがよく伝わってきます。八千草さんの生き方や姿勢が昔も今もあまり変わらないものがおありになったからなのだろうとも思いました。自然に親しみ自然に生きようと心がけて来られた方だったということもこの本を読んだらよくわかりました。野に咲くようにひっそりと、決して派手ではないけれど、人の心に残るような女優になれればとずっと思って来られたと前書きに書かれていました。年を重ねられて、ちょっとだけ無理をして生きていきたいということも書かれていました。「若い頃と違って精一杯頑張り過ぎることでかえって周りに迷惑をかけてしまうかもしれません。だからといって、まったく無理をしない生活では、ただ無為にときを過ごしているだけなのではないかと思うから。」ということでした。ちょっとだけ無理をして生きていきたいということ、これからの自分にあてはめてみたら、ちょっとだけ無理することも、必要なことだろうなあというヒントをいただいた気がします。「品位とは相手を思いやる気持ちのこと」の章で、品位や品格は相手のことを思いやる気持ちの現れだということや、「感動は自ら見つけに行くもの」の章で、どんな小さな出来事でもいいので、自ら感動を覚える生活をする、感動を探しに行くようにされていたことが記載されていた内容が特に印象に残りました。これから、年を重ねて生きて行く上でのお手本・ヒントがたくさん散りばめられている、優しいエッセンスが詰まっていたエッセイでした。