先日、職場で、ある原稿を上質紙の表裏に印刷する仕事の依頼がありました。印刷機で印刷することはもうないと思っていただけに、最後に印刷しないといけない仕事が舞い込んできました。今の印刷機は性能アップしてきたので、昔の印刷機に比べたら操作方法も楽になりましたし、あっと言う間に印刷できたりするので随分進化しました。仕事をする前、約41年前頃の印刷機は自分の手で回して印刷する手動の印刷機でした。仕事をし出してからは、印刷担当に係りの方がいつもおられたので自分で印刷することはありませんでした。10枚以下の資料を増す刷りするときは今はほとんど見かけることがなくなった青焼きの印刷機で印刷していたことや、印刷機には入らないような小さめのカードを単体で数枚増刷するときはガリ板でガリガリ手書きして、謄写版で印刷していたことも今では、懐かしいです。新しい印刷機での印刷には頼りになる同僚が中心にしてくださったおかげで、両面印刷しないといけなかった印刷物が無事に印刷できてやれやれでした。今後印刷機で印刷することはまずないだろうし、最後の印刷の仕事になりました。
土曜日、職場に来られた方に紹介いただいた、オンラインセミナーなるものを受講しました。退職に向けて知っておくと役立つような内容を手短に説明してくださってました。年末調整や確定申告のことや退職後のリタイアメント・ライフについての諸々、勉強になりました。
レンタル店で借りて観た映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の感想です。太宰治の奥さん、太田静子、富江という太宰治と係った女性3人の物語でした。実話を元にした映画です。この映画を観ていたら、太宰治の女性たちとの関係を持ち続けながらの私生活の延長線上にあったような小説を世に出すことの苦しみを背負いながらも文学に全うしようと生きていたと想像された太宰治の人生の一端を描いていた映画でした。太宰治が3人の女性たちを翻弄させたように見せかけていましたが、本当は太宰治が女性たちからたくさんの影響を受けて翻弄されていたかのような人生だったのかもしれないなあと思いました。太宰治の乱れた私生活は文学史などで少し知っていましたが、この映画を観たらその様子や背景が上手に描かれていました。この映画は蜷川実花さんの監督作品なので、演劇を観ているような趣向が凝らされていました。映画の最初で子供と手を繋いで真っ赤な彼岸花が咲いていた場所を歩いていた風景や太宰治が雪で埋もれた中で倒れたままのシーンや太宰治が人間失格を執筆中の書斎が解体されて行くシーンなどは絵画を観賞しているような背景でしたし、舞台の背景のような印象を受けました。太宰治全集が出されているほど太宰作品はたくさんありますが、読んだのは「走れメロス」だけでした。この映画を観て、太宰治の人生の一端がこの映画のような人だったとはあまり知らなかったので、太宰治という作家としての印象、人となりの印象が相当変化した映画になりました。