TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

さかなのこ

2022年09月04日 | 映画鑑賞日記

9月2日、アベノアポロシネマで映画『さかなのこ』を見てきました。さかなクンの自伝的エッセイ『さかなクンの一魚一会』の原作を元に描かれていた映画でした。原作を読んでいましたし、少し前にさかなクンの展覧会も見に行ってきたこともあって、どんな映画になっているんだろうと興味があって見に行ってきました。

魚が大好きで、魚のイラストが上手、魚をさばくことも上手、好きなものは好きと一途な姿がまぶしいミー坊(のんさん)が主人公でした。小学生の頃から高校時代、卒業後大人になってからのミー坊の日常とともに、家族や幼馴染、クラスメート、近所の大人たちに囲まれながら自分の夢をどのようにして広げていくことができたかを描いていた作品でした。映画を見る前は、さかなクンの原作のままの映画になっているのかなと思い込んでいたので、さかなクンは男性なのに、主人公のミー坊が女性なのはなぜだろうと疑問に思っていました。さかなクンが歩んで来られた半生があちこらこちらに散りばめられていましたが、原作のまま、ストーリーが進んで行ったわけではなかったからだったことが映画を見ていたらわかってきました。魚を見るときのなんとも言えない輝いた瞳やどんな人とも打ち解けてどんな人にも愛されて、自由人、天真爛漫さを持っていたミー坊はさかなクンにそっくりでした。けれど、ミー坊はミー坊であって、さかなクンではなかったのです。さかなクンご本人は、ギョギョおじさんとして、何度か登場されていて、さかなクン本人として描かれてはいませんでした。「男か女かはどっちでもいい」という言葉が映画の冒頭のシーンで掲げられていたのですが、映画を見終えたらその意味がよく伝わってきました。

原作のモチーフをきちっと表現しながら、原作を深く掘り下げ、さかなクンの夢が広がって行った半生を織り交ぜながらも、さかなクンにそっくりなミー坊のさかなクンと一味違った道のりを描くことで、原作とは少し違った作品になっていたように感じました。優しさとほんわかさが終始漂っていた映画になっていたように思いますし、見終えた後、元気をもらったような気になった見ごたえがあった映画でした。

印象に残ったシーンをいくつか取り上げてみました。

高校生になったミー坊が、バイクを乗り回す同じ高校の総長(磯村勇斗さん)や籾山(岡山天音さん)たちと漁港で乱闘しながらも魚を釣ってさばいて一緒に仲良く食べていたシーンがありました。また、高校生たちが漁港をバイクで走りまくるシーンがありましたが、そのバイクのハンドルのところにチーとパーの飾りがあってかわいかったですし、漁港での乱闘は闘争感が全くなくコメディぽくって見ていてもおもしろかったです。ミー坊が高校時代はずっとがくらんをいつも着ていたのも印象に残りました。

誰にも頼ることができずに幼子と一緒にミー坊の元に身を寄せるためにやってきた小学生のときからのクラスメートのモモコ(夏帆さん)が、ミー坊に「私たちふつうじゃないでしょ。」とふと投げ掛けたときに、ミー坊は「普通という意味がよくわからない。」言います。

また、幼馴染のヒヨ(柳楽優弥さん)がテレビ局の仕事をするようになり、付き合っていた女性との高級レストランでミー坊を誘って食事をしていたときに、会話の中で、いつまでもお魚を追い掛けていたミー坊をその女性は高笑いしてバカにしていたシーンがありました。バカにされていても意味がよくわからないミー坊でしたが、ヒヨはその女性が高笑いしたことで恋心も一瞬で消えていくというシーンがありました。

これらのシーンで、誰にも、分け隔てなく、接することが自然にでき、好きな魚のことをずっと好きなまま我が道を貫いて行くミー坊の自然体の姿は、知らない間に、周りの人々を自然に前向きにさせるような影響を与える魅力があり、多くの人々に愛されていたことがよくわかります。テレビの仕事に付いていた幼馴染のヒヨが誇れる友達のミー坊をもっと多くの人に知ってもらいたいとミー坊をテレビ番組に出演させることになり、ミー坊の夢はどんどん広がっていくきっかけになって行くといったストーリーで締めくくられていました。普通という概念に囚われないで好きなことをずっと貫いて行く潔さとまっすぐで一途なミー坊の姿は、キラキラと瑞々しく輝いているかのように讃えられていました。もちろん、さかなクンが歩まれた半生の素晴らしさも映画の中できちっと描かれて讃えられていたことが伝わってきました。さかなクンやミー坊がそれぞれの好きな魚の道に進んで行けたのもさかなクンやミー坊のお母さん(井川遥さん)が、いつも信じて優しく見守っておられた支えがあってこそだったこともちゃんと描かれていて、お母さんの支えの偉大さも讃えられていたのも最後に書き留めておきたいと思います。

映画の感想、長くなってしまいましたが、原作を読んでいたら、この映画の深い意味がなんとなくわかった気になりましたので、原作を映画を見る前か後に読まれるのもいいかなと思いました。

この日の午後同じ映画館でもう1本『異動辞令は音楽隊!』を観賞したのですが、エンドロールで同じ俳優さんの名前を発見しました。『さかなのこ』では総長の磯村勇斗さんは『異動辞令は音楽隊!』では阿部寛さんが演じておられた成瀬の刑事時代の部下の坂本役でも出演されていたのが見終えた後にわかりました。全く違う役柄だったので映画を見ていた間は同じ方だったとは想像もしてませんでした。後日、公式HPのキャストの紹介欄で、NHKの朝ドラの『ひよっこ』にも出演されていたと記載されていたのを読みました。主人公のみねこと最後に結婚した見習いコック役の方だったのが磯村勇斗さんだったのを今更ながら思い出しました。籾山役の岡山天音さんも『ひよっこ』に出演されていたと紹介されていたとキャストの紹介欄に記載されていたのを後で読み、あのときの漫画家志望の青年役だった方だったのがわかりました。忘れてしまっていたことをこの映画を見て思い出して懐かしかったですし、『ひよっこ』に出ておられた方々の活躍を見ることができた映画でもありました。

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大丸百貨店梅田店へ行きました

2022年09月04日 | 旅日記

8月31日の午前中、自転車でJR大阪駅まで向かい、この日から大丸百貨店梅田店の15階で開催されていた『笹倉鉄平100の原画展』を見に行ってきました。

ちらしと同じ作品『優しく時は流れて A KISS of TIME』のパネルだけは撮影OKでした。入場料は無料でした。光を意識した作品がたくさん展示されていました。写真を観賞しているかのように感じた外国の美しい風景画が印象に残りました。

15階の大丸ミュージアムから少し行ったところに太陽の広場という展望テラスがあり、少しだけ歩いてみました。

高層ビルを眺めながら一息付けそうな休憩スペースが設けられていました。この日は日差しが酷なほどの暑い日でしたので、早めに退散することにしました。地下の食料品売場でお昼ご飯を買って、最初の90分だけ無料で駐輪させてもらっていたヨドバシカメラの駐輪場に向かいました。

グランフロント横のうめきた広場を通ったときにガンダムが展示されていたので撮影してみました。

JR大阪駅の南口の前の花壇で咲いていた花々を撮影してみました。

中之島、天満橋、大阪城公園経由で、自宅にお昼過ぎに戻ってきました。

 

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