今日は亡父の命日。「生涯現役」と言って自慢していたあの頃がよみがえる。救急車で搬送されるその日まで書斎の机に向かいペンを走らせていたのだ。波乱万丈でも叙勲など輝かしき生涯、86歳でも老いを感じなかった作家の情熱が今でも伝わってくるようだ。
『人は歳を重ねるだけで老いるのではなく、理想を失うときに初めて老いがくる。』(サミュエル・ウルマン)
「古稀」数えるのではなく一つの通過点として飛び越えて行け!亡父が耳元で「俺を超えてみろ、集大成待ってるぞ。」と囁いているようだ。朝夕は仏壇に手を合わせこの歳になっても迷いや願い事など打ち明け心の触れ合いを大切にしている。迷惑掛けずコトンと逝きたいとは口癖、有言実行を絵に描いたようで病院に運ばれ3日後に帰らぬ人になった。仏壇の父の横で母の遺影が「則ちゃんの好きにしなさい」と優しく微笑んでいるようだった。