【世相に一言】小規模支援法案は救世主か？

大手の好景気に反して全国の中小企業３８５万社、その９割を占める小規模事業者は人口減少、高齢化、海外との競争の激化、地域経済の低迷といった構造変化に直面して商売や事業の経営は正に厳しく、売上が落ち、雇用が減り、事業活動が縮小し、経営層の高齢化等の課題を抱えて疲弊する現状が続いています。

そんな中、「小規模基本法案」及び「小規模支援法案」が閣議決定し通常国会に提出する運びとなったのです。小さな事業者でも生き残りや経営を続けるためには厳しい環境に置かれている現状を抜本的に改善し、将来に対し夢を見ることのできる、子供に仕事を継がせたくなるような仕組みを作らなければなりません。今回の「小規模基本法」のポイントは大きく４つあります。一点目は、小規模ならではのきめ細かい商品・サービスを提供する事業者が活躍できる環境を整えること。つまり、地域の雇用や生活を支える事業者が地域の様々な需要に応えることができるよう環境や生活の変化に合わせたビジネスモデルの再構築を支援するということです。二点目は、小規模事業者が女性、若者、シニア等多様な人材を活用できるよう支援していくという点。そして三点目は、小規模事業者を地域経済の担い手として捉え地域活性化に貢献するような活動を支援するということです。最後に、これら３つのポイントが実現できるような具体的な支援のネットワークを構築する。即ち、全国の商工会・商工会議所に小規模事業者に寄り添って相談に応じる体制を整え、市町村や地域の金融機関等と連携して小規模事業者の意欲ある取組を強力に支援するための体制を整備しようというものです。

国のお偉方が机上で描いた小規模事業者の救済法案に多額の税金を注ぎ込む訳ですが果たして救世主となるのでしょうか？当然ながら法案施行に際しては行政や金融機関の携わる担当者が小規模事業者の痛みを理解し単に業務としてではなく、本気でバックアップする体制を作って初めて生かされるもの、獲らぬ狸の皮算用で終わる可能性も否定できないようですね。