筥崎宮参拝時に見かけた参道沿いの神苑花庭園の「冬ぼたん祭」を思い出し出掛けることにした。園内には20品種200株の大輪の冬牡丹が所狭しと植えられ今が見ごろといったところ。藁(わら)の三角帽子は愛らしく銀世界に似合いそう、案内板の冬の風物詩という文句に納得した。
花言葉は「風格」「富貴」「恥じらい」「人見知り」、「百花の王」という別名も持つ牡丹。絹のように薄く大きな花びらが幾重にも重なり鞠(まり)状にまとまった重厚な花姿には趣がある。老いも手伝ってうっとり色彩に心奪われた。
人工的に開花調整してこの時期に咲かせる冬牡丹、どうりで一斉の理由を初めて知る。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といえば女性の美しさを表す言葉だが美を保つための努力もわかるような気がする。手を加えて完成された逸品の芸術作品、まさに屋外の美術館にでも来たつもりで藁帽子を覗き込みスマホのシャッターを押していた。