米旧政権スタッフのデータを保存した HDD が行方不明に
米国立公文書記録管理局 (NARA) は20日、Clinton 元大統領の政権メンバーらの個人情報を保存した外付けハードディスク ドライブ (HDD) が、今年3月以来行方不明になっていると明らかにした。NARA は、紛失した HDD に保管しているデータについて、Clinton 元大統領の政権に関わった職員の「スナップショット」で、政府職員や訪問者らの氏名や社会保障番号など、個人を特定できる情報を含むと説明した。
同局によれば、紛失した2テラバイトの HDD は、約113本のデータ保存用4ミリ テープ カートリッジに記録したデータのバックアップとして用いていたという。
今回の件に関して、NARA は公式 Web サイトに告知 (PDF ファイル) を掲載した。同文書では、職員がデータの妥当性確認を自動的に行なう方法を開発するための分析作業を該当の HDD で行ない、分析作業を止めた後に処理室から該当の HDD がなくなったと説明している。
NARA は現在、データ漏洩のおそれがある個人のリストをまとめるため、該当の HDD でバックアップしていたテープの精査を行っている最中だと語った。
該当 HDD に記録したデータの量が多いことから、NARA はどれだけの人々が影響を受けているのか把握していないものの、今回の事故に関連する各人に通知を行ない、今後1年間の信用情報監視を提供する計画だ。
今回の事案を受け、NARA はセキュリティ プロセスを改善するべく取り組んでいると語った。この対策には「各種記録、オフィスへの出入り、および個人特定可能な情報の取り扱いについて、物理的に掌握する」ことなどがある。
なお NARA は、同局のデータについてすべて複製を作っているため、原本記録は一切紛失していないとしている。
また同局によれば、今回の事案が HDD の紛失か盗難か特定していないものの、犯罪捜査を開始しており、該当 HDD の返還につながる情報提供に対して、5万ドルの報奨金を用意したという。