リビア脱出10万人超す 国境のキャンプ、パンク状態
【ラースジャディール(チュニジア東部)=前川浩之】混乱が続くリビアから逃れ出る人の波が続いている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)による と、リビアから周辺国に流出した人の数は10万人を超え、うち5万人がチュニジア東部国境経由で逃れた。チュニジア東部では多くの避難者が、キャンプなど で不安な日々を過ごしている。
UNHCRによると、避難者はリビアへの出稼ぎ労働者らで、大半はエジプト人。リビアには100万人を超えるエジプト人労働者がいるとされる。エジプトもムバラク政権が崩壊したばかりのうえ避難者の数が多すぎて支援が届かず、自力で脱出してくる。
国境のキャンプは数百人規模しか収容できないため、強風のなか周辺の砂地に毛布やマットを敷いて寝る人も多い。キャンプ周辺では「エジプト政府はどこだ」と叫ぶデモも起きた。
赤新月社の医師らが健康診断をした上で、近隣の町村の学校や体育館の避難所に振り分けているが、避難者が多いために周辺の街も避難民であふれ返っている状態だ。
体育館などの避難所では衛生状態の悪化もみられ、チュニジア政府は保健省の職員を現地に派遣した。ただチュニジアも、ガンヌーシ暫定首相が27日夕に突然辞任するなど「革命直後」の混乱のさなかにある。
UNHCRは毛布やテントなど100トン分を26日夜、チュニジア東部に空輸。国境沿いに1万人規模のキャンプを設置する方針だ。