GXロケット、開発費最大2100億円 抜本見直し必至
2008年05月15日22時16分
官民による共同開発が難航している中型の「GXロケット」の開発費総額が、最大で約2100億円と、当初計画を大幅に上回ることが明らかになった。開発 主体の宇宙航空研究開発機構と民間のギャラクシーエクスプレス社が15日、計画を中間評価する宇宙開発委員会の小委員会に連名の試算を初めて提出した。
安くて国際競争力のある中型商用ロケットを目指したが、開発費が大型並みに膨れた。開発中止を含む抜本的な見直しが避けられない情勢になった。
試算によると、これから必要な開発費は、実証機2機の費用を含めて最大で約1400億円。米企業の既存品を最大限使い、米空軍の発射場を借りるなどコスト削減を徹底しても約800億円かかる。
当初計画では実証機抜きの開発費が450億円だった。だが、技術的理由で開発が難航、初号機の打ち上げ予定は目標の05年度から6年も遅れてい る。すでに官民あわせて約700億円を投じており、最終的には総額1500億~2100億円になる見通し。単純比較はできないが、大型のH2Aの開発費は 約1500億円(試験機含まず)、前身のH2は約2700億円(試験機2機を含む)。
02年度に開発が始まったGXは、米企業の既存品と宇宙機構が開発中の新型エンジンを使う。官民は開発継続の姿勢を崩さないが、委員からは「このコストで本当に商用になるのか」「さらに巨額の国費を投じる説明がつかない」などの意見が相次いだ。(安田朋起)
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