負けてから

試合に全力でぶつかって、それでも負けてしまうとくやしいだろう。
とめどなく涙が流れ落ちるかもしれない。
一生懸命努力して努力してほかの誘惑にも目もくれず、只管頑張ってきたなら
なお更、その努力が報われず悲しみに打ちひしがれるに違いない。
どんなスポーツでも真摯に練習やトレーニングにうちこんでいる姿は美しいし感動を与える。
まして団体競技や団体戦は仲間の信頼と絆が堅固となって強い力を生み出す。
強い闘争心を個人個人が維持し、応援に熱を帯び仲間を鼓舞しあう。

陸上の朝原宣治もバルセロナオリンピックに出場できなかった悔しさをばねに
北京ではリレーで銅メダルをゲットした。
水泳の北島もアテネで金メダルをとってから怪我や挫折に苦しんだ。その挫折から逃げないで上半身をトレーニングで強化し、泳法も変えながら見事カムバックした。
古い話だが、リレハンメルで原田雅彦は痛恨の失敗ジャンプをし団体銀メダルに終わった。そのあと原田宅には抗議や罵倒の電話が数多くあったという。
４年後の長野オリンピックで原田は１３７ｍの大ジャンプをし団体金メダルをとった。過去の汚名を雪ぎ（別に名誉であったのだが）４人で勝ち取った原田の胸中はいかばかりかうれしかったことだろう。

偉大なる名誉を手にした人は、過去に負けることで、負けてくやしさを味わったことをばねにする者が多い。私は生徒たちに喜怒哀楽を大いに表現し感情豊かな人間になってほしいと思う。

　たとえ今日負けても人生は続くのさ　　ミロスラフ・メチージュ（テニスプレーヤー）

人生は一冊の書物

人生は一冊の書物に似ている。
馬鹿者はパラパラとめくり、賢者は入念に読む。
ただ一度きりしかそれを読むことができないのを知っているから。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ジョン・パウル