来生たかお ライブ

来生たかおのライブで叙情的な彼の歌声を聴きに行く。

ちょっとくたびれたサラリーマン風の彼は
見かけによらず才能豊かで、ビリー・ジョエルには、世界最高峰のメロディーメーカーと絶賛されている。

猫背の彼も弾き語りにうつると、
まるで水を得た魚のように生き生きと鍵盤を叩く。

今日の彼は、ノスタルジックというよりも、ドラム色の
濃い力強い演奏が多かった。
そして相変わらずこぶしを利かせない声量溢れる声に
魅了されてしまう。

女性に提供した楽曲の数々がステージ上を跳ね回る。

高橋真梨子「さよならのエチュード」、大橋純子の「シルエットロマンス」、河合奈保子「疑問符」、中森明菜
のご機嫌な曲、「セカンドラブ」、山口百恵「おだやかな構図」、andオーラス前に唄った「夢の途中」
これは薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」の異名同曲である。

ラストで歌った「Good bye Day」は、けだし名曲に違いない。

彼の妻が言うことには、彼はケチなのだそうだ。
蕎麦は天ざるではなく、盛り蕎麦。
ラーメンは、普通のラーメンで、絶対チャーシュー麺じゃあないそうだ。

彼自身は、普通の素朴な食事を愛しているということで、決してケチなのではないということだ。

また、お金の管理はすべて妻まかせで、総資産がいくらあるかも全然知らないそうで、ATMも使わないという。
自分のことを無精で無頓着とも卑下していたが、
ある洋服屋でこれは気に入ったと速攻で買ったセーターが、7万円もしたそうである。

来生たかおのお父さんは山形の人で、奥様も山形市の
片谷地出身である。とても親しみがわく。

68歳の彼は、とにかく歌がうまい。厭世的に見えて
煙草をプカプカ吸うマイペースな気楽な人生かも。
愛妻家で倹約家で抜群のエンターテイメント、
嗚呼あやかりたいかな彼の人生。