Tさんから綿花(わた)をいただいた。
自分で種を蒔いて収穫した、山形では珍しい植物である。
綿種は延暦18年(799年)、三河に蛮船が漂着し、崑崙人(インド人)がもたらした
と類聚国史に書かれている。
そこから紀伊などの国々に種子を配り試植させたが、いったん途絶えた。
1406年室町幕府が派遣した朝鮮使節団に朝鮮国王が与えた賜物の中に
青木綿や綿子が見える。
その後の日本は朝鮮や中国から綿の種子を多く輸入した。
偶々真岡市出身の学生さんが現れ
貰った「綿」を見て
「私の実家の方でも「わた」を栽培している
農家さんがいます」
とのたまった。
栃木県の真岡市は真岡木綿が有名で、江戸時代、文化・天保の頃には
年間38万反の木綿を生産し隆盛を極めた。
蛇足だが真岡市は、「もおか」 と読み
その由来はかつて沼や沢で覆われたその地に鶴が飛来し
その舞い飛ぶ様があまりにも美しいので、ツルの舞う丘、舞丘と呼ばれ
舞丘が「もうか」と転訛され「真岡」の字を当てたそうだ。
あくまでも一説だが・・・
話を綿に戻すが、現在の綿花の生産量の一位と二位の国はインドと中国で
印度は1853万トン、中国は1715万トン(2017年調べ)だそうだ。
日本が最も輸入に頼っている国は米国、次にブラジル、インド、ギリシャと続く。
折角綿花の種を貰ったので
植木鉢に5、6個植えてみる。
いずれ芽が出てくるだろうが、観察日記でもつけようか。