ヴァニラ・アイスはプラチナの夢をみるか?

サンプル数一人の話。日記、アニメの感想などを独りよがりに書いてます。

『マタンゴ(1963)』~怪物より人間の怖さを思い知る映画~

2019-03-27 21:37:06 | 映画系
『マタンゴ(1963)』

1963年8月11日に公開された日本の特撮ホラー映画で東宝の”変身人間シリーズ”の番外編的作品です。原作はウィリアム・H・ホジスンの「夜の声」。『ゴジラ』を生んだ本田猪四郎監督、円谷英二特技監督の手により製作されました。上映時間は89分。

あらすじ

豪華なヨットで海に繰り出した7人の若い男女が嵐に遭って難破し無人島に漂着した。そこはカビと不気味なキノコに覆われた孤島であった。波打ち際で見つかった難破船には生存者はおらず、「船員が日々消えていく」と書かれた日誌や、「キノコを食べるな」という警告が残されていた。当初、協力していた7人も飢餓と疑心による極限状態で次第に理性を失い、心はバラバラになっていく。そしてついに彼らの前に奇怪なキノコ人間が姿を現す・・・。


感想

面白かったです。所謂”ホラー映画”というより極限状態の人間を描いた”人間ドラマ”という印象が強い作品ですね。

飢餓や不安、疑心によって理性のタガが外れた人間が見せる生々しい感情と愚かな行動は非常にリアルで興味深かったです。

自分だけ島から逃げようとする、食べ物を餌に大金をせしめる、自分を奪い合って対立した男たちを見てほくそ笑むなどなど人間が見せる醜い部分こそしっかり描いていて、改めて「人間って怖いなぁ」と思わせてくれました。

こういう物語で人間を過剰に美化しても鼻について逆に共感できませんからね~。その点、この映画のオチは最高なんですよ~。

劇中、理性を保ち続けて行動していたかに見える主人公の末路は衝撃的でしたからね。

それから救いのない物語なのに悲壮感をあまり感じないのも大きな特徴だと思います。酷い目に遭ってるのが”セレブでパリピ”だから観ているコッチは少なからず「ざまぁみろ」って思いもありましたしね。

こういう”セレブでパリピ”な人々に対する批判も狙ってやったのかなぁと感じています。

マタンゴ 予告編


変化途上のキノコ人間がやたら怖いです。中間形態の体全身がカビだらけになった造形も秀逸。それから変化の初期段階も怖かった!体半分がカビに寄生されてるのに笑顔でキノコ食べてるとか身震いしました。

でもキノコ人間の完全体のデザインはゆるキャラっぽくてカワイイです。鳴き声もバルタン星人といっしょだし(笑)。ホラー映画としてはここらへんで少し損してるかもしれないですね。

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この時代の東宝特撮お馴染みの役者さんが多くキャスティングされていますが、怪獣映画で演じる善玉役と全く違う役どころで新鮮でした。

本作は人間ドラマの比重が大きいために役者の演技が重要なのですが、どの役者さんもにも文句がありませんね。

特にヨットマン役の佐原健二さん、ナイトクラブの歌手役の水野久美さんは素晴らしかった。どちらも濃いキャラで物語をグイグイ引っ張ってくれました。

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キノコ人間はフィギュアの方が不気味です。劇中ではヨタヨタ、フラフラ動くし怖がる役者の演技がなければ、まるでゆるキャラ!今の時代からみれば滑稽な印象です。

そうそう、”マタンゴ”と聞くとレトロゲーマーとしてはスーファミの名作RPG『ライブ・ア・ライブ』の近未来編を思い出してしまいます。

その名も”マタンゴ”という覚醒作用のあるキノコが登場します。これって間違いなく元ネタはこの映画でしょうね。ちなみに物語の重要なアイテムになるのですが詳しい話は別の機会にしましょう。

この他、音楽の分野にも影響を与えているようで筋肉少女帯も『マタンゴ』という曲を歌っています。こうしてみると知名度のわりにゲームや音楽など影響力は大きい映画なんだなって実感しますね~。

古い映画ですからマイナス面も多いとは思いますが、それを差し引いても面白いので古い映画だからと敬遠せずに鑑賞してほしいですね。


ということで今回はここまで。次回乞うご期待!

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