市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

くすりのはなし ジェネリック医薬品

2012-07-07 | くすり
先日閉会した6月議会で、国民健康保険について取り上げました。
国保は、定年退職などによる無職者や低所得者が加入者の多くを占めています。
低い収納率に加え、国庫負担割合の低下も相まって、国保会計は全国どこも赤字に苦しんでいます。
このことを背景に、私は今議会で、
・市の収納対策について ・被保険者資格証明書について ・都道府県単位化について
の3点に関し、質問しました。

ところで、今回は触れませんでしたが、国保会計が赤字となるもう一つの原因に、医療費の増大があります。
その対策として国が積極的に推進しているのが、ジェネリック医薬品の利用です。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に他メーカーから販売される薬で、価格は先発に比べて2割から6割低く抑えられています。
現在普及率は約20%ほどですが、これがもっと普及すれば医療費が抑えられ、個人のお財布にも優しいし、国保財政も安定化に向かうというわけです。
従って、保険者の中には、被保険者に対し、服用中の薬をジェネリック医薬品に変えた場合の削減額を計算した結果を通知して、変更を促しているところもあります。

でも、ジェネリックは確かに先発品と有効成分は同じなのですが、例えばコーティング剤や賦形剤などの有効成分以外の成分は同じではありませんし、製法も各メーカーによって違います。
それから、薬に関するデータの保有、医師や薬剤師への情報提供サービス、医療機関への供給体制などは、先発メーカーの方が明らかに充実しています。
先発メーカーはそれだけ研究開発にお金を投じているのですから、当たり前なのですが。
そして、実際に医療現場では、ジェネリックに変えたら効かなくなったり逆によく効くようになったりして、「やっぱり先発とジェネリックは必ずしも同じではない」という実感を、多くの医師や薬剤師が持っているようです。

風邪薬など、それほど影響がない種類の薬は神経質になる必要はないでしょうが、
例えば抗てんかん、抗不整脈、抗精神などのデリケートな薬は、変更する際は慎重に行った方がいいと思います。

とはいうものの、やっぱり薬の値段が安くなるのは嬉しい事です。
薬を処方されたら、医師や薬剤師にジェネリックについて問い合わせるのは非常にいいことです。相談しながら賢く選ぶということにつきます。


それから、ジェネリック医薬品については、こんな選び方もあります。

患者さんの中には、錠剤が大きくて呑み込めないからと、飲む前に二つに割ったり、口の中で噛み砕いてしまうという方がたまに見受けられます。
でも、薬の成分によっては光や胃酸で分解してしまったり、コーティングが壊れることで吸収速度が大きく異なってしまう場合が多いので、ぜひそのまま飲み込んでほしいのです。
とはいっても、どうしても呑み込めない場合、どうしたらいいのでしょうか。
ひとつは、粉剤やドライシロップなど、別の剤形に変えてもらうという方法がありますが、錠剤よりも粉剤の方が一般的にお値段が高くなるというデメリットがあります。
そこで、ジェネリック医薬品の登場です。
ジェネリック医薬品の中には、種類によっては先発品に比べて粒が小さい製品があります。
こちらに変えれば、飲み込みやすくなるばかりかお値段も安くなって、一石二鳥です。


いずれにせよ、
医薬品は自身の身体に入って大なり小なり作用するものなのですから、遠慮せずにどんどん医師や薬剤師に相談することです。自己管理の基本ですね。

くすりの話 成人用肺炎球菌ワクチン接種は慎重に

2012-01-10 | くすり
肺炎は日本人の死因のなかでは4番目に多い病気です。
原因となる病原体のうち、特に70歳以上で一番多いのが肺炎球菌。
安易な抗生物質の使用によって、抗生物質が効きにくい肺炎球菌(耐性菌)が増えたことで、戦後減り続けた肺炎の死亡数も、近年は増加傾向にあります。

肺炎予防のための成人用肺炎球菌ワクチン(製品名 ニューモバックスNP)は、日本ではちょうど10年前から使用が急増しました。
なんとそのきっかけはNHKの某番組で取り上げられたことなのだそうです。それまでは日本では医者の間ですらあまり知られていなかったと言いますから、驚きです。

しかし、その効力は5年経つと低下してしまいます。短期間で再接種をすると強い副反応が起きることから、日本ではこれまで再接種はできませんでしたが、2009年から、65歳以上のお年寄りやハイリスク患者に限って打てるようになりました。

ここで問題なのは、肺炎球菌ワクチンは基本的に2回までしか効果が検証されていないということです。
「65歳になったら肺炎球菌ワクチン」などと有名人を起用してキャンペーンが張られ、新型インフルエンザの流行騒ぎで肺炎の合併を予防したいなどの理由もあり、若い年代でも安易に打つ人が増えているようです。
でも仮に65歳で1回打ち、5年後に2回目を打ったとして、そのさらに5年後の75歳になったら、どうするのでしょうか?

健康な体であれば、接種は少なくとも後期高齢の75歳を過ぎてから考えても遅くはないいのではないでしょうか。
本当に今の自分に必要なワクチンなのか、よく考えてから接種を受けましょう。

ちなみに、
脾臓を摘出した患者さん以外は保険適用されません。自費でだいたい7~8千円程度です(ニューモバックスNPの薬価は一本約5千円)。
副反応はおもに注射部位の痛みや熱感、倦怠感や筋肉痛・関節痛などの全身症状がみられることもあります。


私は、抗生物質にしろ、ワクチンにしろ、カゼ薬にしろ、どんなクスリも、安易に体に入れるものではないということを、もっと皆さんにわかっていただけたら・・・と思っています。
私のような薬剤師は、ドラッグストアで働くのは無理かもしれませんね。
きっと売り上げガタ落ちです^^;


参考 
・「肺炎球菌ワクチンQ&A」http://www.mjunkanki.com/diseases/pneumobacks.html#Q1
・「調剤と情報」2012 1月「COPD診断と治療のためのガイドライン第3版」永井厚志

クスリ嫌いの薬剤師

2010-11-16 | くすり
昨日からぐっと冷え込みが厳しくなりましたね。
病院の勤務が終わって外に出たとたん、身震いしてしまいました。
本格的な冬の装いをせねば・・・

冬といえば、インフルエンザ(?)。
先日、ついに私も予防接種を受けました。
「ついに」というのは、、
実は私、ここだけの話、薬剤師のくせに大のクスリ嫌いなんです。
この体の中に薬剤が入るなんて想像しただけで・・・そっちの方が身震いものです(笑)
今回の接種も、勤務先の担当者に「オザワさん、まだ受けてませんよね。」とやんわりとつつかれて、
仕方なく・・・なのです。
接種して3日間ほど、上腕全体がかなり赤く腫れあがってしまいました。
こんなに副反応が出たのは初めてだったので、なおさらビビッてしまいました。

まあ、私みたいなクスリ嫌いは、世の中では少数派なのかもしれません。
それこそコマーシャルのように「痛くなったらすぐ○○」「喉のの風邪にはは××」とクスリを飲むのは当たり前の世の中ですものね。
医者に行ったら薬が出ないと何だか損した気分になるし(私はなりませんが)。

そういえば先日、勤務先の病院に転院してこられた患者さまが、前の病院であまりに大量のクスリを処方されていて、ドクターやナースと苦笑いをしたばかりです。
数えてみたら、30種類も^^;
最初に出されたクスリの副作用で調子が悪くなって、それで薬が追加されて、
またそのクスリの副作用が出て、それでまた追加になって・・・・
え~い、キリがない!!
うちのドクターは、
「こんなに必要ないよ。これもあれも要らないよね。」とどんどん削って、結局最初の処方の3分の1ほどの量に整理されました。
スッキリ。

特にお年寄りは、複数の診療科にかかっていてこうなってしまう傾向がありますね。
こんな例は、日常茶飯事なのです。

確か2カ月くらい前の新聞の記事にも、京都大などによる大規模調査の結果が載っていました。
入院患者の約2割に明らかにクスリによる健康被害が起こっているとのこと。
この中には当然人為的ミスによるものも含まれてはいるのでしょうが、
むしろ怖いのは、ミスではなく、正しいとされる処方によっても、
健康被害がこれだけ引き起こされているのだという事実。
治癒のために入院したのに、その治療で病が悪化するなんて、なんともやりきれない。
自分を弁護するわけではないのですが、
自分の体に入るもの、特にクスリのように大きな作用をもたらすものには、みんなもっと敏感に・慎重になってもいいのではないのかしら?
意外に
「食べ物は無農薬、添加物には日々気をつけてます~」なんて人が、クスリに対しては寛容だったりしてね・・・・?

写真は
勤め先の病院に併設されている老人保健施設にて
11月3日文化の日のバザー前日の様子です。
スタッフの方々の工夫を凝らしたオブジェや入居者のお年寄りの方々の作品、素晴らしい!

  

  

因みに、11月3日は私の誕生日でした。
思いがけずmixi仲間の皆さまにたくさんお祝いのメッセージを頂いて嬉しい限りでした(*^_^*)

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