市議会常任委員会の視察で、福岡県大木町を訪れました。
人口14,000人の町で行われている素晴らしい取り組みとは、
ごみを資源として循環させ地域全体を豊かにする「循環型社会」の実現です。
「おおき循環センターくるるん」は、その取り組みの中心となる施設。
生ごみや浄化槽汚泥・し尿から作ったバイオガスは電力を生み出し、
液体肥料は地元の農家に還元しています。
一般的にゴミ処理施設といえば街の外れにあったりしますが、
「くるるん」は逆に町の中心にあります。
こうすることで、循環型社会のシンボルとして住民の意識を高めているんですね。
併設された道の駅では、地域産食材を使った料理を提供。
地元の農家と連携し、循環型社会の輪を広げています。
お昼時には駐車場は満杯、長蛇の列ができるほどの人気ぶりでした。
大木町のゴミの分別は生ごみから始まり、今では29種類にも及びます。
紙おむつのリサイクルにも取り組み、いつでも持ち込み可能な回収ボックスも設置されています。
こちらは紙おむつをリサイクルして作られた外壁材。
その他、全世帯に生ゴミ用のバケツを無償で提供したり、
燃やすゴミの袋をわざと高価で破れやすくすること分別意識を促したりするなど、
住民の行動を後押しする仕組みが数多く、一同感嘆しきりでした。
町では、その協力と理解を得るために各地で100回以上説明会を行いました。
また、転入の手続きの際には生ゴミ用バケツをプレゼントし、啓発ビデオで学習してもらうそうです。
大木町の成功は、まず首長の強いリーダーシップ、職員の創意工夫、そして住民の協力があってこそ。
驚くことに、世界中にある焼却炉の3分の2が日本にあるのだそうです。
日本はまだまだ大量生産・大量消費・大量廃棄の社会です。
ごみを減らし資源を循環させることは、環境問題だけでなく、地域経済の活性化にもつながります。
今回の視察を通じて、
大木町のように、地道に一人ひとりの意識と行動を変えていくことの大切さをあらためて学びました。