(千葉市の資料より)
久しぶりに市議会内の活動。
『再生資源物の屋外保管に関する調査検討部会』の会議に、会派を代表して出席しました。
ちょっと堅い名前でとっつきにくいですよね。
「再生資源物の屋外保管」とはつまり、
金属スクラップや廃車などが山のように積み上がっている場所。ヤードともいいますね。
塀で囲ってあって、中がよくわからなかったりしますよね。
住民にしてみれば「ごみ」「危険」「不快」としか思えないのですが、業者にとっては有価物。
「これは買い取ったもので、リサイクルして取引するんですよ。ゴミではありません!」となれば、
それを規制する法令がないのです。(ゴミであれば、規制法令はあります)
市の説明によると、市内には現在66カ所あって、
過去5年間で住民から延べ145件の苦情があったとのこと。
その多くが騒音や振動です。
確実なことはわかりませんが、県内でも多い方だと思います。
市原市議会には昨年末の定例議会に、同業者のフェニックスメタル(株)さんから
「私たちも困惑している。なんとかして欲しい」という趣旨で、請願が提出されました。
議会は全会一致でそれを採択し、調査検討するための部会を立ち上げたというわけです。
実は昨年11月、お隣の千葉市が全国初の罰則つきの条例を制定し、話題になりました。
その際の、条例制定の背景や問題点などが比較的わかりやすい記事を貼り付けますね。
ご参考まで。
朝日新聞デジタル【スクラップ保管場、トラブル続出 千葉市は設置許可制に】
この日の調査検討部会には、千葉市の担当部局の職員をお招きして、色々とお話を伺いました。
冒頭の写真は、千葉市の資料からです。火災も心配ですよね。
市原市では消防局が、これまでも随時火災予防のためのパトロールを行ったり、
掲示用のチラシ配布など注意喚起の取り組みを行ったりしています。
外国人が多いので、外国語版↓↓も用意。
でも、注意喚起程度では限界がありますし、消防局が関われるのはあくまでも火災予防の観点のみ。
肝心なのは、今後市原市はどう抜本的に対処すべきか、です。
千葉市職員の説明を受けたのち、部会の議員間(9名)でひと通り意見を述べあったのですが・・・
大まかに二つに分かれたと感じました。
一つは
「条例は私権の制限を伴うし、
環境部の体制を相当強化しなければならないなど、かなりハードルが高い。
条例を作る前に、他の方法で対処できることがまだあるのではないか」
もう一つの意見は
「千葉市が条例を作ったことで、千葉市から市原市に業者が流れてきていると感じている。
一刻の猶予もならない。ここは強い態度で条例制定に踏み切るべき」
こういうことは、会派は全く関係ないですね。議員個々のスタンスや考え方の問題です。
後者の意見を主張していた議員に後で話を聞くと、
自分の地域の周りに次々と新しいヤードができていると、かなり危機感を持っていました。
私個人の現時点での考えは、
そもそも条例制定がそれほど効果が無いのであればいざ知らず、
「市原市の体制が弱いので、千葉市のようにはできない」ことを理由に
「条例は制定しない」とするのは、
市民に対していかにも不誠実だと思っています。
千葉市の条例制定には、熊谷前千葉市長の強い想いが背景にありました。
要は、行政(そして議会)の熱意ではないでしょうか。
因みに、市の意見は
「現在、県が調査を行っているので、その行方を注視したい」と。
・・・相変わらず消極的だ。
市原市は『SDGsのシンボルのまち』でしたよね。
「世界から一番近い里山」なんてキャッチフレーズもあったっけ。
自然が豊かなことが強みだと公言するのであれば、
市内のあちこちに目を背けたくなるようなスクラップの山ができるのを、
県が動くまで指をくわえて見ているなんて選択肢はあり得ないでしょう。
もうしばらく調査検討は続きます。
市民の皆さんのご意見をお寄せください。