市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

ポスドク問題

2013-03-27 | 労働

写真は、本日事務所内で行われた、市民ネットのエネルギー政策説明会にて(^^)



「ポスドク問題」って、皆さんご存知ですか?

「ポスドク」とは、大学院で博士号(ドクター)の資格を取った後、非正規で研究職についている研究者のことです。
私もこれまで話には聞いていたのですが、
昨日ブログに書いた生活困窮者に関するフォーラムでもこの「ポスドク問題」の話題が出て、特に心に引っ掛かりました。

最高学歴を持つ人間の多くが雇用不安定で生活困窮者に・・・。
ちょっと信じられないと思われるかもしれませんが、実は日本では今、この高学歴ワーキングプアの増加も、大きな問題となっているのです。

1990年ごろ、政府が国際競争に打ち勝つために大学院重点化政策を打ち出し、大学院の定員が2倍、3倍に増えました。それにより大量のドクターが生まれ、当然のことながらその後の正規の就職先が非常に狭き門となってしまいました。
政府はあわてて非正規の研究者ポストを用意したのですが(「ポスドク1万人計画」)、どれも1年から3年、せいぜい5年の任期つき。
現在、若手研究者の多くがこのような不安定な労働環境の中で任期をつないでいくことに汲々としています。

大学の運営費交付金が毎年削られていく中、人件費に資金を回せず、大学の教員ポストは減り続けている。
企業も、グローバル化の中、守備範囲が狭いドクターは採用しづらい。

したがって、昨年の大学院博士課程修了者の進路統計では、非正規どころか何の職にも就けなかったドクターも約30%という数値が出ていますし、もっと悲惨なのは、「死亡・行方不明」の7%。
これは、高卒・大卒など他の教育機関修了者に比べて、ダントツに高い値なのだそうです。

この深刻な「ポスドク問題」、どうすれば解決につながるんでしょうか・・・。
いずれにしても「大学院はフリーター生産工場」などという言葉が生まれるような歪んだ日本の高等教育の放置は、国にとって大きな損失です。

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