蒲郡市の次に訪れたのは広島市。
広島県庁を訪ね、3つの取り組みについてお話を伺いました。
まず【不登校児童生徒への支援】について。
広島県では令和3年度に不登校支援のための組織を新設し、今年度は16名の職員で取り組んでいます。
令和4年度には児童生徒が自由に活用できる学びの場「スクールエス」を刷新。
居心地の良い空間にリニューアルし、オンライン利用や周知を強化した結果、
これまで数名だった登録者が270名にまで増えました。
今後は県内市町にも広げ、ネットワーク化を図りたいとのこと。
・・・千葉県にはこういう取り組みはありませんね。。
それから、
県内17市町・計42校に「スペシャルサポートルーム(SSR)」を設置して、
教員を加配措置しています。
(広島市など大規模な市は独自で行っているそうです)
県から指導主事が定期的に訪問、サポートも行っているとのこと。
令和元年度からの取り組みで、SSR設置校は4倍に増えています。
あくまで通常学級への復帰を前提としない。
時間割を自分で決め、伴走者(担当教員)にいつでも相談できる。
SSRにはソファーが置かれ、机にテーブルクロスを掛けたり個別のスペースを設けたり。
環境にも十分配慮されています。
学校に行きづらい児童生徒にとっての安心な場所、そして個々の状況に応じて成長できる場所です。
・・・これも千葉県では県としての取り組みはないなぁ。。
市原市ではようやく今年度から小学校2校で設置されたけれど、
広島県のSSRのような環境と比べたら、ハード的にもソフト的にもまだまだこれからでしょう。
井の中の蛙だったかな。。
同じ千葉県でも柏市はすでに全校に設置されているそうですから、
取り組みに差が出てしまっているようですね。
次に【子供の予防的支援構築事業】について。
「予防的支援」ってナニ?という感じですが、
要するに、
虐待になる前にそのリスクが高いと思われる子どもを事前にキャッチし、守るシステムです。
広島県では、4市町をモデルに令和2年度から実証事業を行っています。
例えば妊婦健診、乳児健診、障がい者手帳、生活保護、ひとり親医療、保育所、学校など、
各部局にまたがる様々な個人情報を統合して、AIでリスク値を判定。
値の高い児童の情報はネウボラや学校など関係機関と共有し、
訪問や面談、見守りなどを継続的に行います。
何しろ「予防」ですから、慎重な対応が求められますね。
それからやはり個人情報の利用に係る制約も課題です。
それにしても、AIが虐待予防に活用されるとは。
あらためてDXのスピードの速さには驚かされますが、
それにいち早くチャレンジした広島県もさすがですね。
広島県の視察で、またまたお腹がいっぱいになってしまった。
残りは、また。