1年おきに開催される「全国市民政治ネットワーク 全国交流集会」。
例えば私たち市民ネットワーク千葉県のように、国政政党ではないけれど、地域の生活者・特に女性の声を社会に活かすべく活動している地域政党。その全国各地のメンバーが、今年は千葉市に集結しました。
スキルアップや情報交換・交流を目的として、7月19日・20日の二日間にわたる、市民ネットらしい密度の濃いスケジュールでした。
会場は予想を上回る170名以上の参加者でギッシリ。
実は私たち市原勢、会場に着くなり「椅子が足りないから、前のアリーナ席へどうぞ!」と案内されたんです。
それがこちら。床に毛布・座布団のゴキゲンなアリーナ席。
花火大会かお花見か?とも見えなくもない・・・(^_^;)
ともかく二日間とも充実度バツグンで、とても一度に書ききれません。
今日はとりあえず、1日目の第1部・基調講演のみ報告しますね。
かぶりつきで聴いた基調講演。
「地方分権をとり戻す」 演者は元我孫子市長で消費者庁長官を務められた、中央学院大学教授福島浩彦氏。
以前私はブログで、セミナーや講演を松竹梅で勝手にランク付けしていると書いたことがありましたが、これはもう松も松、特松でした!!
心に響いた福嶋氏の言葉を必死でノートに書きとめていたら、ギッシリ6ページにも及ぶほどに。
例えば・・・
地方自治について
「地方自治体と国の行政機関、両方の責任者を務めて痛切に思ったこと、それは『社会を本当に変えたかったら地方からでしかない』ということです。徹底して生活者である市民一人一人から出発する、それが自治です」
「人口が拡大している時は、例えば国の補助金を使って施設を建てるなど、国の成長戦略に乗っかっていれば地方はうまくいっていた。ところが、縮小していくときは、地方の住民が自分たちで考える(自治)事が必要。
人口が増えないと成り立たないような仕組みのまま『人口増やします』と言っている自治体ほど人口は減る。人口が減ることを逆に活かして、どういい社会を作っていくかという視点が大切」
「2000年の地方分権改革のあと、地方自治が一向に進まないのはなぜか。国が権利を離したいからではなく、地方が責任から逃げようとしているからだ。例えば私が消費者庁長官時代、道路特定財源が一般財源化された。その時、全国市長会や議長会が、国交省に対し特定財源へ戻すよう要求した。でも、これはおかしい話で、本来なら、道路にしか使えないお金(特定財源)が自由に使えるお金(一般財源)になるのだから、喜ぶべきこと。これは、自分たちがお金の使い道に責任を取りたくないからではないか。『分権(権利を与えられる)』イコール『責任を取る』ということである」
住民参加について
「自治の土台は直接民主主義。ただし、政策全てを住民が直接決めていてはらちが明かないので、普段は首長と議会に託しているだけ」
「パブリックコメントは一部の限られた反対意見を持つ人々に偏ることが多いが、反対意見ときちんと向き合うことはとても大切。これによって行政は鍛えられる」
「我孫子市長時代、市の予算案の編成過程を全国で初めてすべて公開した。各部局の予算要求から査定で何が削られ、何に配分されていくか、完全に「見える化」し、パブリックコメントも募集した。これによって、市民はまちづくりの優先度や方向性を知ることができる」
議会と議会基本条例について
「議会の役目は行政の監視機関だけではない。大事なのは合議制の意思決定機関であるということ。首長は一人しかいないから、自分の支持者や利益で働くことは一瞬でもあってはならない。常にすべての市民にとっての利益を考え行動する。しかし、議員は複数いるので、初めは自分の支持者の意見から出発してもいい。しかし、それらを議員同士できちんと議論し、合意を形成していかなければならない。残念ながら、これまで多くの議会では各々の要求を行政に伝えるだけで終わっていた」
「議会基本条例は、憲法のようなもの。市民が議員を縛るためのものであって、議員の権限を確立するためのものではない。例えば、請願や陳情の審査について『必要に応じて提案者の意見を聞くことができる』と条例に定めている議会が多いが、これではダメ。議会が『聞くことができる』のではなく、市民が『意見を述べる権利がある』と定めるのが筋である」
さて、わが市原市の議会基本条例(2年前に制定)はどうでしょう?
第6条第4項 議会は、請願及び陳情を政策提案と位置付け、その付託及び送付を受けた委員会は、審査において必要に応じ提案者の意見を聞く機会を設けるものとする。
う~ん(-_-)。残念ながらご多分に漏れず、福嶋先生のおっしゃる通りの条文です。
条例作成時は私も会議のメンバーだったのですが、知らず知らずのうちに市民目線ではなく議会目線になってしまっていたことに気付き、愕然としました。
福嶋先生が講演中何度も強調してらした
「徹底して市民一人一人から出発する」
この意識を改めてかみしめた、考えさせられることが非常に多い講演でした。市原市の議会や職員の皆さんにも、ぜひ一度聞いていただきたい!
おまけの写真、
講演直後、名刺交換のために裸足で先生のもとへすっ飛んで行った私(^_^;)
例えば私たち市民ネットワーク千葉県のように、国政政党ではないけれど、地域の生活者・特に女性の声を社会に活かすべく活動している地域政党。その全国各地のメンバーが、今年は千葉市に集結しました。
スキルアップや情報交換・交流を目的として、7月19日・20日の二日間にわたる、市民ネットらしい密度の濃いスケジュールでした。
会場は予想を上回る170名以上の参加者でギッシリ。
実は私たち市原勢、会場に着くなり「椅子が足りないから、前のアリーナ席へどうぞ!」と案内されたんです。
それがこちら。床に毛布・座布団のゴキゲンなアリーナ席。
花火大会かお花見か?とも見えなくもない・・・(^_^;)
ともかく二日間とも充実度バツグンで、とても一度に書ききれません。
今日はとりあえず、1日目の第1部・基調講演のみ報告しますね。
かぶりつきで聴いた基調講演。
「地方分権をとり戻す」 演者は元我孫子市長で消費者庁長官を務められた、中央学院大学教授福島浩彦氏。
以前私はブログで、セミナーや講演を松竹梅で勝手にランク付けしていると書いたことがありましたが、これはもう松も松、特松でした!!
心に響いた福嶋氏の言葉を必死でノートに書きとめていたら、ギッシリ6ページにも及ぶほどに。
例えば・・・
地方自治について
「地方自治体と国の行政機関、両方の責任者を務めて痛切に思ったこと、それは『社会を本当に変えたかったら地方からでしかない』ということです。徹底して生活者である市民一人一人から出発する、それが自治です」
「人口が拡大している時は、例えば国の補助金を使って施設を建てるなど、国の成長戦略に乗っかっていれば地方はうまくいっていた。ところが、縮小していくときは、地方の住民が自分たちで考える(自治)事が必要。
人口が増えないと成り立たないような仕組みのまま『人口増やします』と言っている自治体ほど人口は減る。人口が減ることを逆に活かして、どういい社会を作っていくかという視点が大切」
「2000年の地方分権改革のあと、地方自治が一向に進まないのはなぜか。国が権利を離したいからではなく、地方が責任から逃げようとしているからだ。例えば私が消費者庁長官時代、道路特定財源が一般財源化された。その時、全国市長会や議長会が、国交省に対し特定財源へ戻すよう要求した。でも、これはおかしい話で、本来なら、道路にしか使えないお金(特定財源)が自由に使えるお金(一般財源)になるのだから、喜ぶべきこと。これは、自分たちがお金の使い道に責任を取りたくないからではないか。『分権(権利を与えられる)』イコール『責任を取る』ということである」
住民参加について
「自治の土台は直接民主主義。ただし、政策全てを住民が直接決めていてはらちが明かないので、普段は首長と議会に託しているだけ」
「パブリックコメントは一部の限られた反対意見を持つ人々に偏ることが多いが、反対意見ときちんと向き合うことはとても大切。これによって行政は鍛えられる」
「我孫子市長時代、市の予算案の編成過程を全国で初めてすべて公開した。各部局の予算要求から査定で何が削られ、何に配分されていくか、完全に「見える化」し、パブリックコメントも募集した。これによって、市民はまちづくりの優先度や方向性を知ることができる」
議会と議会基本条例について
「議会の役目は行政の監視機関だけではない。大事なのは合議制の意思決定機関であるということ。首長は一人しかいないから、自分の支持者や利益で働くことは一瞬でもあってはならない。常にすべての市民にとっての利益を考え行動する。しかし、議員は複数いるので、初めは自分の支持者の意見から出発してもいい。しかし、それらを議員同士できちんと議論し、合意を形成していかなければならない。残念ながら、これまで多くの議会では各々の要求を行政に伝えるだけで終わっていた」
「議会基本条例は、憲法のようなもの。市民が議員を縛るためのものであって、議員の権限を確立するためのものではない。例えば、請願や陳情の審査について『必要に応じて提案者の意見を聞くことができる』と条例に定めている議会が多いが、これではダメ。議会が『聞くことができる』のではなく、市民が『意見を述べる権利がある』と定めるのが筋である」
さて、わが市原市の議会基本条例(2年前に制定)はどうでしょう?
第6条第4項 議会は、請願及び陳情を政策提案と位置付け、その付託及び送付を受けた委員会は、審査において必要に応じ提案者の意見を聞く機会を設けるものとする。
う~ん(-_-)。残念ながらご多分に漏れず、福嶋先生のおっしゃる通りの条文です。
条例作成時は私も会議のメンバーだったのですが、知らず知らずのうちに市民目線ではなく議会目線になってしまっていたことに気付き、愕然としました。
福嶋先生が講演中何度も強調してらした
「徹底して市民一人一人から出発する」
この意識を改めてかみしめた、考えさせられることが非常に多い講演でした。市原市の議会や職員の皆さんにも、ぜひ一度聞いていただきたい!
おまけの写真、
講演直後、名刺交換のために裸足で先生のもとへすっ飛んで行った私(^_^;)