市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

代表質問より なぜ不祥事は繰り返される?

2021-06-28 | 議会
先日、代表質問で取り上げた3つのテーマのうちトップバッターは、
相次ぐ市の不祥事について。

特に今年になってから、市原市が不祥事で頻繁に報道されるようになって・・・市民として目を覆いたくなる程ですね。
もちろん、4年前の水道データの改ざん問題の時も、昨年の乳児の衰弱死事件のときも、私はかなり議会で追求しました。
今年に入っては、生活保護の組織的な問題についても市長に要望書を提出したりもしました。
でも、こんな風にもぐら叩きみたいに個々の事例を取り上げても追いつかないというか・・・
何か共通する根本的な問題が横たわっているのではないかと感じたので、今回はそれを指摘したいと思ったのです。

市としても、当然各々の原因究明や対策検討をしている。職員のコンプライアンス研修にも取り組んでいる。
それは伝わってくるのですが、やはりどこかその部署内の問題で終わってしまっていて、結局「他人ごと」なんですよね。
市が一丸となって組織的にリスクマネジメントに取り組むという姿勢があまり見えないのです。

対照的に、ふじみ野市の例があります。
2006年に市営プールで児童が吸水口に吸い込まれて亡くなるという痛ましい事故を、覚えている方も多いと思います。
ふじみ野市は、その事故の翌年にはもう危機管理基本マニュアルを策定しているのですが、これがとても良くできているんです。
その中の「危機管理のための行動指針」が面白いのでご紹介しますね。

(1) いつも「だれかが見ている」「だれかに見られている」という気持ちで仕事をする。
― この意識さえあれば、手抜き、違法行為、不正行為は自ずとしなくなる。
(2) いつも「ちょっと変だな・・・?」「本当に大丈夫かな・・・?」という意識を持って仕事をする。
― この意識さえあれば、“危機の芽”を初期にキャッチでき予防できる。
(3) クレームには大事な恩師、先輩に対する同じ気持ちで対応する。
― この気持ちがあれば、重大事故の原因を見逃さずにすむ。
(4) 大事な自分の家族がどうなるか・・を自問する。
― この意識があれば、「悪魔のささやき」に誘惑されずにすむ。
(5) 上司の指示でも、「おかしいと思ったこと」は「おかしい」と問い直す。
― 「市民第一主義」「市民への配慮」を優先する。
(6) 違反、違法行為は、いつか必ず発覚すると知る。
― 「内部告発」という「恐ろしい刺客」を忘れない。
(7) それを“敏腕な社会部記者”が知っても問題にならないか、自問する。
― 「マスコミがそれをどう見るか」が問題になる。

ちょっと苦笑させられるような分かりやすい表現が、かえって心にずしんと来る気がしませんか?
ふじみ野市の決意の強さも伝わってきますね。

もう一つ、もっと根本的な原因として、私は職員の仕事に対するモチベーションの低下について指摘しました。
実際にメンタル不調で休職する職員も、この10年間で増えているんです。

これは、なかなか市民の皆さんには見えないことかもしれませんが。。
5年前ぐらいからでしょうか・・・
地方創生が叫ばれ出して、自治体間の人口を奪い合う競争が激化し始めた頃からです。
何か新しい事業、人を呼び込めるような事業を次々と編み出していかなければならない。
ここで無駄な事業をスクラップできれば良いのですが、市原市はどうもそれが上手くできないんですね。総花的で。
結果、事業が雪だるま式に膨らむ一方です。
これでは今住んでいる市民へのサービスにしわ寄せが来ることもあるでしょう。

このままではまた不祥事も起きると思います。
市長には、職員が本来の業務に専念できるよう「公務は住民の福祉が最大の目的」という基本に立ち返って、政策レベルで優先順位のメリハリをつけてほしいのです。

私が言いたいこと、市長に伝わったかしら・・・

市HPの議会録画中継より




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