平成24年壬辰もあとわずかとなりました。説経師の1年としては、これまででも、
最も充実した1年間であったことを、皆様方に感謝申し上げます。
さて、ここで、「説経正本集第二」の内、五説経として名高い、「苅萱」「小栗判官」
「愛護若」を除いた、他の古説経達を読み終えることができたので、まとめをする
ことにいたします。
横山重編角川書店「説経正本集第二」の内容は以下の通り、※印のついたものを
本ブログで、翻訳し紹介しました。但し、シリーズ9の「山椒太夫」と、シリーズ13
の「弘知法印御伝記」は、「説経正本集第二」の内容ではありません。
「山椒太夫」は、国文学研究資料館にある複写本の山本角太夫正本を読みました。http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120224
この原本は、舞鶴西図書館蔵とあります。また、「弘知法印御伝記」は、来年
取りかかる「説経正本集第三の43」に収録されているので、先読みになりました。http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120714
いずれも、作曲の必要性があっての取り組みでした。山本角太夫の「山椒太夫」
は、今年、「鳴子曳き」の部分を公演しましたが、来年の秋には、人買いの場面の
「直井の浦」、安寿受難の場である「姉弟山別れ」を加えて、三段組みの浄瑠
璃として復活する予定ですので、ご期待下さい。
「説経正本集第二」目次
十七 せっきょうかるかや(寛永八年しょうるりや喜衛門板)
十八 かるかや道心(寛文初年江戸板木屋彦右衛門板)
十九 おぐり判官(延宝三年正本屋五兵衛板)
二十 をくりの判官(佐渡七太夫豊孝正本)
二十一 あいご若(万治四年山本久兵衛板)
二十二 あいこのわか(天満八太夫正本)
※二十三 目連記(万治頃八文字屋板)
シリーズ8http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120131
二十四 目連記(天満八太夫正本)
※二十五 ほう蔵びく(天満八太夫正本)
シリーズ10http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120229
二十六 ほうぞうびく(佐渡七太夫豊孝正本)
※二十七 ゆりわか大じん(日暮小太夫正本)
シリーズ11http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120325
※二十八 わうしょうぐん(日暮小太夫正本)
シリーズ12http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20120503
※二十九 ひょうごのつき嶋(石見掾正本)
シリーズ14http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20121123
三十 兵庫の築嶋(寛永六年江戸井筒屋板)
※三十一 石山記(天下一石見掾藤原重信正本)
シリーズ15http://blog.goo.ne.jp/wata8tayu/d/20121213
今年は、なにより、六十年に一度の「壬辰」の年に「阿弥陀胸割」を復活することができて
よかったです。今後とも猿八座へのご支援、ご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
皆様が良いお年をお迎えできることをお祈り申し上げます。