猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

説教源氏節との初交流①

2011年09月21日 13時59分31秒 | 調査・研究・紀行

甚目寺に伝承された「源氏節」とはどんな説経なのか、名古屋に来たついでに、甚目寺を訪ねた。あま市甚目寺歴史民俗資料館では、源氏説経節の古い正本や残された頭を閲覧させていただいた。演目としては、小栗、三荘太夫をはじめ薩摩と共通する演目が多いが、知らないものもあった。源氏説教の太夫は「岡本某」を名乗るが、大変興味深かったことは、「説教」ではなくて、どれも「説経」とあり、しかも、「説経祭文」と書かれていることである。よくよく聞いてみると、創始者の岡本美根太夫は江戸生まれで、新内を使って説経祭文を語ったのが始まりというから、薩摩派の創始とかなり似通っていることを始めて知った。源氏節は関西系の古い説経を残しているのかと思いこんでいたが、間違いであった。また、源氏を名乗ったのは、名古屋で人気のあった平家琵琶に対抗してのことであるというから、どこぞの薩摩と若松を思い起こさせ、思わず失笑してしまった。写真はもくもく座の代表松田史子さん。

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