ISD条項導入反対 TPP交渉国に書簡 米国などの法律家 (2012年06月25日)
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米国やオーストラリアなどの法律家ら100人以上が5月、環太平洋連携協定(TPP)に投資家・国家訴訟(ISD)条項を盛り込むことに反対する書簡をまとめ交渉参加国に送った。ISD条項によって、企業が投資先の国内の裁判を飛び越え、政府を直接、国際仲裁機関に訴えられることに対して「各国の司法制度を弱体化させる」「紛争の公平な解決を危うくする」と危険性を訴える内容だ。同条項による国際仲裁が投資先国の裁判所が下した判決を執行しないよう求める事例が出ていることなどから専門家の間で懸念が広がっている。
書簡には米国のコロンビア大学のジャグディシュ・バグワディ教授ら学者の他、カナダ、チリ、ペルー、オーストラリア、ニュージーランドなどの法律家や元政府関係者らが署名した。
書簡によれば、ISD条項の表向きの目的は、発展途上国など、十分な司法制度がない国に投資した企業が「不動産や工場、施設を(投資先)政府によって収用された場合」の補償を確実にすることだ。しかし、実際の運用では、その適用対象が、投機的な金融商品、政府の許可、政府調達、知的財産権などに拡張されている。同条項による国際仲裁では「国家の規制権限や国内問題に関する国家主権より、多国籍企業の財産と経済的利益の保護が優先される」と指摘する。
こうした危機感の高まりのきっかけとなったのが米国石油大手のシェブロンがエクアドル政府をISD条項で訴えた事件。エクアドルの裁判所が同社事業が環境を汚染したとして、アマゾンの地域住民に180億ドルを支払うよう命じたが、国際仲裁機関は2月、裁判所の判決を執行しないよう命じた。ISD条項による訴訟の要因は、投資先国政府による規制などが多かったが、国内司法権の行使自体が対象になることでより司法関係者の懸念が深まった形だ。
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米国やオーストラリアなどの法律家ら100人以上が5月、環太平洋連携協定(TPP)に投資家・国家訴訟(ISD)条項を盛り込むことに反対する書簡をまとめ交渉参加国に送った。ISD条項によって、企業が投資先の国内の裁判を飛び越え、政府を直接、国際仲裁機関に訴えられることに対して「各国の司法制度を弱体化させる」「紛争の公平な解決を危うくする」と危険性を訴える内容だ。同条項による国際仲裁が投資先国の裁判所が下した判決を執行しないよう求める事例が出ていることなどから専門家の間で懸念が広がっている。
書簡には米国のコロンビア大学のジャグディシュ・バグワディ教授ら学者の他、カナダ、チリ、ペルー、オーストラリア、ニュージーランドなどの法律家や元政府関係者らが署名した。
書簡によれば、ISD条項の表向きの目的は、発展途上国など、十分な司法制度がない国に投資した企業が「不動産や工場、施設を(投資先)政府によって収用された場合」の補償を確実にすることだ。しかし、実際の運用では、その適用対象が、投機的な金融商品、政府の許可、政府調達、知的財産権などに拡張されている。同条項による国際仲裁では「国家の規制権限や国内問題に関する国家主権より、多国籍企業の財産と経済的利益の保護が優先される」と指摘する。
こうした危機感の高まりのきっかけとなったのが米国石油大手のシェブロンがエクアドル政府をISD条項で訴えた事件。エクアドルの裁判所が同社事業が環境を汚染したとして、アマゾンの地域住民に180億ドルを支払うよう命じたが、国際仲裁機関は2月、裁判所の判決を執行しないよう命じた。ISD条項による訴訟の要因は、投資先国政府による規制などが多かったが、国内司法権の行使自体が対象になることでより司法関係者の懸念が深まった形だ。