つぶやき、遊び・仕事・日常

一日の出来事のあれこれを雑多に記録していきます

「無用の用」

2021-06-27 06:59:31 | 日記
老子に「無用の用」という言葉がある。
これは、無用に見えるものの中にも実は有用なものがある、という意味だと思われる。
そんな中、「3密を避ける」、リモートで事足りる、そんな風潮に真っ向から反論する産業新聞のコラムを見た。

◆出張は無用の長物か
 現在猛威を揮っている新型コロナウイルスが収束しても、商用の出張旅行需要の回復は鈍いと見込まれる。
 見立てはこんなところだろう。
 オンライン会議で打ち合わせすることが一般的となり、出張の必要性は薄れている。
 合わせて、コロナ禍でダメージを受けた企業は、不要不急の経費を削る動きが活発となる。
 出張は無用の長物になってしまうのかもしれない。
 だが、本当にそうなのだろうか。

 自分とは異なった背景を持つ人と実際に会って意見を交わし、情報を交換する。
 様々な場所に出向き、そこに行かなければ得られず、また見聞できない文化を知る。
 こうしたアナログ的な経験はすぐには役に立たない。
 所詮、出張は物見遊山だという声も聞こえてくる。
 だが、異質なもの同士を結び付けて新しい価値を生み出すのがイノベーションであるならば、
 こうしたこうした物見遊山を繰り返して異質なものに数多く触れた人でなければ、イノベーションを生み出せないのもまた真実なのだろう。

 老子の「無用の用」、無用に見えるものの中には有用なものがあり、出張はこれに該当すると思われる。
 現場に出向き、現地・現物を確かめることは大事なことだ。
 願わくば、日本企業の美風である現場主義が失われないことを求め続けたいものだ。