村爺のなんでもいいべ

南相馬市の馬事公苑を中心に活動しているディスクゴルフの話題や南相馬の出来事や思いついたことを書いていきます。

吾妻へ Part3

2012年09月10日 20時06分15秒 | 登山・滝めぐり

姥神様と再会を果たし、早めの昼食をとるために鎌沼への分岐付近にあるベンチを目指す。

姥神様からベンチまでは5分程度の距離。数年前までは苔むしたきれいな景色が見られたが、ハイマツの背丈が高くなったせいか眺望が悪くなったような気がする。5年間でこんなにも変わってしまうんだろうか? 木道の両脇にはリンドウやミヤマアキノキリンソウがきれいに咲いています。

昼食をとるいつもの場所はベンチがなくなっていました。仕方がないので広いスペースに腰を下ろして休むことにした。そこへきれいな蝶が飛んできました。「キベリタテハ」と言うんだそうです。「タテハチョウ」科で夏を山岳地で過ごし、秋は低地へ移動し越冬するそうです。

昼食のメニューは、カレーうどんとマツタケごはんと野菜サラダ。食後のコーヒーはなんと車に忘れてきてしまった。休憩にはコーヒーを飲むために水を多めに担いできたのになんにもなんねーべよ!! やっぱり計画もなく行き当たりばったりでは忘れ物もするんだろうな!! しょうもないやつだ!!

おいしいマツタケごはんを食べながらカレーうどんを作っていると、何かチョロチョロ動き回るやつがいる。最初ネズミかと思ったらなんか胴長のテンに似た動物だ。確か「オコジョ」ではないかと思ったが実物を見たことがないのでわからない。下山後にビジターセンターの方に聞いたら確かに「オコジョ」でした。「ラッキーでしたね」と言われました。なかなか巡り合うことができないそうです。イタチ科の哺乳類で体長は18cmほど。山岳地に単独で生活していて肉食のネズミキラーだそうです。冬は全身白色になるが尾の先だけが黒くなるそうです。好奇心が旺盛で人がじっとしていると近くに寄ってくることもあるそうです。俺のところに来た「オコジョ」はやっぱり好奇心旺盛で近くに寄ってきます。ザックの上に置いた帽子を引っ張っていたずらをしていました。

じっとしていると手の届くところまで寄ってきていたずらをしようとしています。なんか俺をバカにしているような気分になってきた。知らんぷりして食事をしていると体の周りをチョロチョロと動き回っていました。カメラを向けると隠れるし動きが早いので写真を撮るの難しいですね。これまでヤマネやノウサギとは巡り合っていますが、20数年で初めての出会いでした。今年は何か幸運なことがあるかもしれない。

「オコジョ」と遊んで昼食の時間が40分を過ぎた頃、遠くの方で雷が鳴り始めた。雷に会うと困るので、きりのいいところで「オコジョ」とお別れして次の「一切経山」を目指すことにした。昼食休憩したところからは鎌沼が望めます。そこの分岐を今度は鎌沼に下りて行きます。12:00出発。

鎌沼は、蓬莱山、前大巓、姥ヶ原に囲まれて形が鎌に似ていることからその名前が付いたとされています。木道が整備されていて高低差もないので歩きやすいです。雨が少ないせいか水量は少ないですね。鎌沼が全面凍結している時期に来た時に姥ヶ原から鎌沼まで滑って降りて行ったことがあります。すごく気持ちよかったですね。スカイラインオープンと同時位に行くと可能ですよ。

鎌沼を過ぎて行くと酸ヶ平の湿原が広がります。6月中旬頃から7月にかけてワタスゲが一面に咲きますね。池塘が点在しているんですが、今年は雨が少ないせいか小さい池塘は干上がってました。この池塘の水が酸味かかることから酸ヶ平と名付けられたそうです。ここの東端に避難小屋がありトイレも整備されています。ここにはウメバチソウが群生していました。

12:25 酸ヶ平分岐。酸ヶ平の東端から避難小屋を通り急なガレ場を登り一切経山へ向かいます。今日最後の急登です。

12:40 一切経山への分岐到着。あの急登を15分で登り切ってしまった。ちょっと早すぎないか?体力のない体で無理をすると長い下りが怖い。

ここからはこれまで歩いてきた東吾妻山や姥ヶ原~鎌沼、酸ヶ平を望むことができます。

目指す一切経山はもうすぐです。緩い昇りを登って行くと眼下に吾妻小富士がきれいに見えてきました。福島市方面の展望は残念ながら雲に隠れて見えません。ここまで来るのにどれだけの時間がかかっただろうか、震災前は毎年時間があるとあっちこっちの山に一人で出かけて行った。震災後は麓まで行くがなかなか登る気になれなかった。それがやっとここまでたどり着くことができた。体力が無く心臓にも持病があり本当に不安だったが、少しずつ歩みを進めることにより念願は絶対にかなうんだと感じることができた。いよいよ山頂という所で思わず感激してしまった。これまでの20数年の登山でこんなに感激したことはなかったような気がする。

13:05 一切経山1948.8m山頂到着。「空気大感謝塔」初めてここに立った時には祠があったような気がする。一切経山は弘法大師が一切経を納めたことに由来すると言われているが、ほかにもいろいろと伝説があるようです。

空気大感謝塔から数メートル登ると山頂の道標と三角点があります。念願の「魔女の瞳」へはそこから緩く下って行きます。

一切経山の眺めの主役はなんといっても「魔女の瞳」と呼ばれる五色沼の神秘的な姿です。太陽光の具合で沼の色が微妙に変化していきます。この日は残念ながら福島方面の東側から雲が湧いていて太陽を隠していました。でも、東吾妻山で展望がなかったので魔女の瞳に再会できたのは感激でした。

この沼はいつも変わらない水量をしているような気がする。今年は雨が少ないので水量が減ってもよいと思うが不思議ですよね。古来、この地の人々はこの沼を「雷沼」と呼び、雨乞いの神としてあがめていたそうです。干ばつの年、この沼のほとりで雨を祈り、沼に石を投げいれれば「冷気たちまち到り急雨来る」と言われていたそうです。来月あたりは紅葉に囲まれた魔女の瞳きれいでしょうね。思わず30分位魔女の瞳と見つめ合っていました。

下山は来た道を引き返します。西の会津方面にはあやしい雲が湧いてきています。酸ヶ平への分岐からは直接浄土平への下山道を取っていたのですが、現在は火山活動が活発になり閉鎖されています。分岐を右に折れ急坂を下って行きました。

急坂を下りきると酸ヶ平避難小屋に到着。休まず下山を続けます。14:05 酸ヶ平の分岐を左へ向かい浄土平へ。

下山途中、酸ヶ平から流れ落ちる沢に「ヤマハハコ」が群生していました。この花をアップで見るとひとつひとつの花の中にまた花が咲いているように見えきれいですね。

ススキの穂も大きく伸びて秋の気配を濃くしています。

朝、登り始めた道に帰ってきました。ここまで来ると現実に戻ってしまいますね。どうしても登る気になれなかった山ですが何とか気持ちを切り替えることができました。身体は本当に疲れていますが、気持ちはなんか軽くなったような気がします。15:00 駐車場到着。予定通りの山行でした。

ここ数年間は、山に登るのに負担を軽くするためにディスクゴルフで使っている軽いトレッキングシューズを使っていましたが。今回はあえて20年前にやっと購入した登山靴を使用しました。仙台のサンライフで購入したイタリアシリオ製のゴアテックス登山靴定価6万円以上だった。購入金額は5万円位だったと思う。20年たってもしっかりと足をサポートしてくれます。重いですがしばらくはこいつを相棒にしたいと思ってます。

3.11の震災と原発事故でいろいろとありましたが、いろいろな面で復興に向かっていると思う。気持ちも復興に向かっていかないと本当の復興へ向けた動きはできない。今回の山行で一つの気持ちの切り替えができたような気がする。

山でもなんでも同じだと思うが、やっぱり少しずつでもいいから歩みを進めて行けば、いずれは願いがかなうと実感しました。

これをきっかけに色々と再開していき復興を目指したいと思います。



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