うどんの研究
連載中
(13)うどん雑学
おいしいパンが食べたい 1/5 new
今やパンは世界の国々でいろ
いろな形で食べられている。
主原料は、小麦粉だ。パンは
焼いたり蒸したり大きく膨ら
ませたり、また平焼きなどが
あるが小麦粉の持つたんぱく
質(グルテン)の量によって
、その種類や品質が決まって
くる。
(次回に続く)
ポケットにおかずのピタパン
いま人気なのがピタパン。
直径20センチほどの平たく
丸いパンの空洞に肉、野菜
、豆などをサンドイッチ状
に詰めて食べる。便利だ。
小麦粉に水、塩、砂糖、イ
ーストを加え、高熱で焼き
上げる。英語ではポケット
・パンと呼ばれる。古くか
ら中近東、地中海沿岸で食
べられ、いまも中東の主食
のひとつで、ピザの起源と
いう説もある。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 5/5
上手に保存すれば、強力粉な
ら製造後半年、薄力粉であれ
ば1年はもつ。これがいわゆ
る「賞味期限」にほぼ相当する
のだが、品質を保ち、袋から
出したらふるいにかけ、用途
に合わせて用いるのが、小麦
粉と長く付き合い、おいしく
味わうコツと言ってよいだろ
う。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 4/5
洗剤、化粧品、油など臭いを
発するもののそばに置くのは
禁物である。また、湿気にも
敏感で、高温・多湿は苦手。
湿気はカビや虫の原因になっ
たり、品質を変えてしまう。
袋を開いたら、涼しく湿気の
ないところに、虫がこないよ
うしっかり封をして保管する
ことだ。またテンプラ用など
一度使った粉は、余っても元
の袋へは戻さないようにしよ
う。買ってきたら、密封でき
る容器やポリ袋に袋ごと入れ
ておくことだ。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 3/5 new
粒が細かいほど光の乱反射す
る率は高くなり、目に白く映
る。薄力粉の方が強力粉より
白く見えるのはこのためだが、
水を加えて生地にしたり、と
ろりとしたバッターにしてい
くと差はなくなり、小麦粉本
来のクリーム色になっていく。
これほど微細なだけに、保存
には注意を要する。まず、臭
いを吸い込みやすい。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 2/5
デリケートなところは、小麦
粉になっても変わらない。ま
ず、小麦粉の粒子はとても細
かい。製粉技術の進歩のおか
げとはいえ、文字通りフワフ
ワだ。最も粒の細かいのはグ
ルテンなどたんぱく質が一番
少なく、ケーキなどにぴった
りの薄力粉、反対にやや粗い
のはパンやラーメン向きの強
力粉、その中間が主にうどん
に使われる中力粉といってよ
いだろう。これらの粒の直径
は150ミクロン以下、しかも
半分以上は35ミクロン以下で
ある(1ミクロンは1ミリの1
000分の1)。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 1/5
小麦は収穫したあとの貯蔵
中も活発に呼吸しているこ
とをご存知でしょうか。ア
メリカで行われた実験のよ
れば、20年間で小麦の重量
は1%減ったという。つまり
、小麦の粒は生きて呼吸
をしており、そのぶんエネ
ルギーを使ったということ
だ。
(次回に続く)
イタリアから世界へ
広がったパスタ
地中海沿岸では昔からデ
ュラム小麦が取れた。そ
れを挽いて得られたセモ
リナを材料にイタリアで
12世紀からさまざまなス
パゲッティ、マカロニが
生まれた。その総称がパ
スタ。ロング、ショート
、スモール、特殊な形状
などいまでは500種類以
上あるといわれる。日本
には文明開化の明治時代
以降に入り、いまや世界
に冠たるパスタ愛好国に
なっている。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 5/5
むろん、塩を入れすぎれば
グルテン形成に逆効果とな
ることがあるので、バラン
スは必要だ。この塩加減は、
食パン、菓子パン、クロワ
ッサンなどパンの種類で、
あるいは、手述べか機械打
ちかといっためんの製法、
打つ季節 ―夏は塩が多め、
冬は少なめ― によっても微
妙に違う。中華めんなど、
あまり塩を加えないものも
ある。このように、塩との
関係は複雑で、まさに小麦
粉は生きているといっても
過言ではない。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 4/5
一方、うどんであれば、コ
シのある独特の食感を生む。
パンでも同じだが、かすか
な塩味は、味を調え、小麦
粉以外の材料(例えば砂糖)
の味を引き立てる。さらに
味も良くなる。とくに日本
めんでは、めんの芯の部分
にまで塩水が染みとおり、
ゆで時間を短くするメリッ
トもある。乾めんであれば、
急速な乾燥を防ぎ、日持ち
をよくしてくれる。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 3/5
まず、塩分はグルテンの働
きを強め、パンの生地を引
き締める。その結果、イー
スト菌による発酵で柔らか
く、きめ細かく膨らみ、ふ
っくら焼き上がる。また、
発酵のスピードを抑え、雑
菌の繁殖も防いでくれるの
で、パン本来の香りを長持
ちさせることになる。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 2/5
その最大の特長は、コメや
トウモロコシにはないグル
テニン(弾力に富むものの
伸びにくい)とグリアジン
(粘りがあって伸びやすい)
というたんぱく質の存在。
小麦粉に水を加えて練って
いくと、この二つは合体し
、粘弾性のあるグルテンを
形成していく。このとき適
量の塩が、小麦粉の魅力を
引き出す重要な役割を果た
す。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 1/5
小麦粉からパン(強力粉)
やうどん(中力粉)の生
地を作るとき、いずれの
粉にも欠かせないものが
ある。塩だ。小麦はコメ
、トウモロコシと並ぶ世
界の主要穀物。製粉し、
さまざまな形を変え、肉
や野菜とともに調理され、
世界の栄養をリードする
食卓の王様といってよい
だろう。
(次回に続く)
アメリカで注目、全粒粉
先進国では「メタボリック
・シンドローム」(内臓脂
肪症候群)が頭痛のたね。
内臓肥満から高血糖、高血
圧、高脂血症になるリスク
も高い。対策としてアメリ
カでは全粒粉パンが注目さ
れている。胚乳、胚芽、表
皮が全て含まれている小麦
粉で焼く、ビタミン・ミネ
ラルといった滋養分のほか
、胃腸をきれいにしてくれ
る不溶性の食物繊維の量は
玄米をしのぐほどだ。
(次回に続く)
小麦のハードとソフ 4/4
これに対し、硬質小麦より
グルテンの少ない軟質小麦
から出来るのが薄力粉。
柔らかなケーキやクッキー
といった菓子、てんぷらに
向いている。また、ソフト
で、ある程度弾力を求めら
れるうどんは主に中力粉を
使う。硬質小麦と軟質小麦
の間に位置する中間質小麦
がその原料になる。水で練
ってグルテンを形成し、パ
ンほど硬からず、ケーキよ
りはコシのある食感という
特性がある。まさに小麦粉
は変幻自在な食材である。
(次回に続く)
おいしいパンが食べたい 1/5 new
今やパンは世界の国々でいろ
いろな形で食べられている。
主原料は、小麦粉だ。パンは
焼いたり蒸したり大きく膨ら
ませたり、また平焼きなどが
あるが小麦粉の持つたんぱく
質(グルテン)の量によって
、その種類や品質が決まって
くる。
(次回に続く)
ポケットにおかずのピタパン
いま人気なのがピタパン。
直径20センチほどの平たく
丸いパンの空洞に肉、野菜
、豆などをサンドイッチ状
に詰めて食べる。便利だ。
小麦粉に水、塩、砂糖、イ
ーストを加え、高熱で焼き
上げる。英語ではポケット
・パンと呼ばれる。古くか
ら中近東、地中海沿岸で食
べられ、いまも中東の主食
のひとつで、ピザの起源と
いう説もある。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 5/5
上手に保存すれば、強力粉な
ら製造後半年、薄力粉であれ
ば1年はもつ。これがいわゆ
る「賞味期限」にほぼ相当する
のだが、品質を保ち、袋から
出したらふるいにかけ、用途
に合わせて用いるのが、小麦
粉と長く付き合い、おいしく
味わうコツと言ってよいだろ
う。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 4/5
洗剤、化粧品、油など臭いを
発するもののそばに置くのは
禁物である。また、湿気にも
敏感で、高温・多湿は苦手。
湿気はカビや虫の原因になっ
たり、品質を変えてしまう。
袋を開いたら、涼しく湿気の
ないところに、虫がこないよ
うしっかり封をして保管する
ことだ。またテンプラ用など
一度使った粉は、余っても元
の袋へは戻さないようにしよ
う。買ってきたら、密封でき
る容器やポリ袋に袋ごと入れ
ておくことだ。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 3/5 new
粒が細かいほど光の乱反射す
る率は高くなり、目に白く映
る。薄力粉の方が強力粉より
白く見えるのはこのためだが、
水を加えて生地にしたり、と
ろりとしたバッターにしてい
くと差はなくなり、小麦粉本
来のクリーム色になっていく。
これほど微細なだけに、保存
には注意を要する。まず、臭
いを吸い込みやすい。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 2/5
デリケートなところは、小麦
粉になっても変わらない。ま
ず、小麦粉の粒子はとても細
かい。製粉技術の進歩のおか
げとはいえ、文字通りフワフ
ワだ。最も粒の細かいのはグ
ルテンなどたんぱく質が一番
少なく、ケーキなどにぴった
りの薄力粉、反対にやや粗い
のはパンやラーメン向きの強
力粉、その中間が主にうどん
に使われる中力粉といってよ
いだろう。これらの粒の直径
は150ミクロン以下、しかも
半分以上は35ミクロン以下で
ある(1ミクロンは1ミリの1
000分の1)。
(次回に続く)
小麦粉は繊細な生き物 1/5
小麦は収穫したあとの貯蔵
中も活発に呼吸しているこ
とをご存知でしょうか。ア
メリカで行われた実験のよ
れば、20年間で小麦の重量
は1%減ったという。つまり
、小麦の粒は生きて呼吸
をしており、そのぶんエネ
ルギーを使ったということ
だ。
(次回に続く)
イタリアから世界へ
広がったパスタ
地中海沿岸では昔からデ
ュラム小麦が取れた。そ
れを挽いて得られたセモ
リナを材料にイタリアで
12世紀からさまざまなス
パゲッティ、マカロニが
生まれた。その総称がパ
スタ。ロング、ショート
、スモール、特殊な形状
などいまでは500種類以
上あるといわれる。日本
には文明開化の明治時代
以降に入り、いまや世界
に冠たるパスタ愛好国に
なっている。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 5/5
むろん、塩を入れすぎれば
グルテン形成に逆効果とな
ることがあるので、バラン
スは必要だ。この塩加減は、
食パン、菓子パン、クロワ
ッサンなどパンの種類で、
あるいは、手述べか機械打
ちかといっためんの製法、
打つ季節 ―夏は塩が多め、
冬は少なめ― によっても微
妙に違う。中華めんなど、
あまり塩を加えないものも
ある。このように、塩との
関係は複雑で、まさに小麦
粉は生きているといっても
過言ではない。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 4/5
一方、うどんであれば、コ
シのある独特の食感を生む。
パンでも同じだが、かすか
な塩味は、味を調え、小麦
粉以外の材料(例えば砂糖)
の味を引き立てる。さらに
味も良くなる。とくに日本
めんでは、めんの芯の部分
にまで塩水が染みとおり、
ゆで時間を短くするメリッ
トもある。乾めんであれば、
急速な乾燥を防ぎ、日持ち
をよくしてくれる。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 3/5
まず、塩分はグルテンの働
きを強め、パンの生地を引
き締める。その結果、イー
スト菌による発酵で柔らか
く、きめ細かく膨らみ、ふ
っくら焼き上がる。また、
発酵のスピードを抑え、雑
菌の繁殖も防いでくれるの
で、パン本来の香りを長持
ちさせることになる。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 2/5
その最大の特長は、コメや
トウモロコシにはないグル
テニン(弾力に富むものの
伸びにくい)とグリアジン
(粘りがあって伸びやすい)
というたんぱく質の存在。
小麦粉に水を加えて練って
いくと、この二つは合体し
、粘弾性のあるグルテンを
形成していく。このとき適
量の塩が、小麦粉の魅力を
引き出す重要な役割を果た
す。
(次回に続く)
小麦粉と塩の関係は 1/5
小麦粉からパン(強力粉)
やうどん(中力粉)の生
地を作るとき、いずれの
粉にも欠かせないものが
ある。塩だ。小麦はコメ
、トウモロコシと並ぶ世
界の主要穀物。製粉し、
さまざまな形を変え、肉
や野菜とともに調理され、
世界の栄養をリードする
食卓の王様といってよい
だろう。
(次回に続く)
アメリカで注目、全粒粉
先進国では「メタボリック
・シンドローム」(内臓脂
肪症候群)が頭痛のたね。
内臓肥満から高血糖、高血
圧、高脂血症になるリスク
も高い。対策としてアメリ
カでは全粒粉パンが注目さ
れている。胚乳、胚芽、表
皮が全て含まれている小麦
粉で焼く、ビタミン・ミネ
ラルといった滋養分のほか
、胃腸をきれいにしてくれ
る不溶性の食物繊維の量は
玄米をしのぐほどだ。
(次回に続く)
小麦のハードとソフ 4/4
これに対し、硬質小麦より
グルテンの少ない軟質小麦
から出来るのが薄力粉。
柔らかなケーキやクッキー
といった菓子、てんぷらに
向いている。また、ソフト
で、ある程度弾力を求めら
れるうどんは主に中力粉を
使う。硬質小麦と軟質小麦
の間に位置する中間質小麦
がその原料になる。水で練
ってグルテンを形成し、パ
ンほど硬からず、ケーキよ
りはコシのある食感という
特性がある。まさに小麦粉
は変幻自在な食材である。
(次回に続く)
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