第一に感じて頂きたいのは、韓国の人達の敬虔な祈り(いのり)です。このような熱心な祈りを、小生は日本で見た記憶が無いのです。
さてこの作品でご紹介するのは、「梵魚寺の大雄殿」です。
ここに祀られた本尊仏は、釈迦牟尼で2体の菩薩が両脇に立っているように祀られています。正面3間、側面3間の多包様式で、軒は軒下の垂れ木の上に更に短い垂れ木を重ね合わせたもので、この建物はその装飾が美しく構造が繊細であるとされ、釜山、釜山近郊に残っている最高の木造建物と評価されるほどのものです。
重要文化財の大雄殿と三層石塔
石段を上って境内の中心に出ると大雄殿が現れます。本尊に釈迦如来を奉安する梵魚寺の大雄殿は重要文化財にあたる宝物第434号に指定されています。大雄殿に向かって右側にある三層石塔は二重基壇の上に建てられた統一新羅後期の典型的な石塔で、こちらも宝物第250号。9世紀頃に建立されたものと推定されています。
三層石塔
その三層石塔は、新羅時代下期の典型的な造りとされていて、梵魚寺が建てられた時期と重なるため、創建当時から残っているという物です。また、石塔の中の2箇所に顔像が彫られています。
追記;
前回は、バスを降りてから、参道を通って、一柱門と天王門をご紹介した。
復習を兼ねて、前回ご説明出来なかった事を書いておきます。
1.四本の柱で出来た門が寺院の入り口
一柱門と呼ばれている門が、梵魚寺の入り口を表している門です。1614年に再建されたときに造られ、1781年に修復され現在に至ります。
梵魚寺に足を踏み入れて最初に出会うのは一柱門(イルチュムン)。世俗と聖域の境界を意味しています。韓国の山地伽藍で必ず見られるのが、この一柱門ですが、土台が石でできているのは珍しく、重要文化財にあたる宝物第1461号に指定されています。華やかな丹青(韓国伝統の彩色)の木造部分とどっしりとした石の台座の対比が印象的です。
2.門を越えると次の天王門が現れ、そこにはお寺を守る4天王がいます。
一柱門を抜け、天王門(※火災により全焼しましたが、現在は既に再建されていました。)、不二門(今回は修理中で工事の覆いがあり参ることも通ることもできませんでした。)と続きます。
日本のお寺と同じくヒノキやマツなどの針葉樹が多くみられ、竹林もあり、非常に静かな佇まいです。信者である参拝の人たちが門をくぐるたびに丁寧にひとつずつお参りしている様子をよく目にしました。