ちょうど午後10時頃、帰ろうと新大阪駅東口近くの
階段を上がったら男性一人と女性二人の三人連れが
案内板の前で不安そうにしていた
いつもの調子でそばまで行って
”わからないんですか?”
と聞くと地図が書かれた印刷物を差し出してきた
女性の一人が片言の日本語がやっと話せる程度で
他の2人はまったくわからない
単語をつなぐだけの自分の英語もわからない
多分東南アジアの人と思った
地図でCホテルを指差した
Cホテルは阪急南方駅前でよく知っている
逆かさまになっている地図を正して現在地とCホテルを
示して地下鉄でひと駅ゆけば簡単に行けると伝えたら
女性はわかったようだった
念のためにスマホで見せたら笑顔でうなずいた
少し離れて立ち止まっていた男性が女性に何か言った
そしてこちらに向かって歩くしぐさをした
歩いて行くと言っているらしい
持っている地図は電車を前提にした簡単なもの
ホテルまで歩いて行く道は書かれていない
Cホテルまでは自分の足でも20分はかかる
地元以外の人なら大阪人でもわかりづらい
そうでなくても夜の10時過ぎで暗い
それに三人とも大きながらがら?を引いている
歩いて行くには外国人にはわからないだろう
それでも行くと男性がさかんに女性に指図するので
1階まで下りて道を教えたがあの地図は役に立つまい
地下鉄代を節約しようとしていたとは思わないが
あの男性、最初からこちらの話に関心を示さなかった
いつのまにか雨が降り出していた!
傘をもっているのか?
暗い道を歩きだした女性の一人が振り返って
笑顔でこちらに手を振った
こちらも気を付けて!と返した
おいかけて案内しようかと衝動に駆られた
果たしてCホテルに無事に行ったかな?
声をかけたのがよかったのかどうか
ずっとそのことが気になっている。