なぜ急にこんな古い小説を読む気になったのか?
誰の記事であったか忘れたが、あるブロガーさんが、原田康子著「挽歌」を読み直し、
その文体の素晴らしさに感動したというような記事を書いていらした。
そういえば大学生の時、この本を読み、世間知らず、初心(うぶ)な私は大きな衝撃を覚えた。それだけは鮮明に思いだす。
しかしあらすじはよく覚えていない。いわゆる一言で言えばW不倫小説だったかと。
そこで何となくもう一度読んでみようと、図書館でふと手に取って読み始めた。
初版は昭和36年、昭和30年ごろの釧路を舞台にした恋愛小説だ。
当時ベストセラーとなった小説!おそらく私と同世代の方々、特に女性は多くの方々が読まれていると思う。
前半はやや退屈する場面もあるが、後半はまるで推理小説並みの面白さ、ぐんぐん引き込まれ、あっという間に読了。
主人公怜子の言動は理解に苦しみ、共感することはできないが、やや屈折しているとはいえ、その真っすぐさに魅かれるものがある。
こんな官能的、スリリングな小説だったかしらと、改めて驚いた。
作者の、登場人物の揺れ動く感情の微細な描写は素晴らしく、自分をその人物に重ね同化し、のまれていくのを感じた。
何を隠そう、すでに時効、私も大学生の時、完全な片思いであるが(ここを強調)妻子ある男性に恋をしたことがある。
確か当時37,8歳、私の通う大学の助教授であった。とても人気があり、彼に憧れを抱いていた女子学生は私だけではなかった。
先生の研究室に用を作ってはしげく通った。先生の自宅と同じ方向に下宿先があった私は、時折一緒に帰ることもあった。
勉学のことで話が弾み、帰路お茶に誘われたこともあった。飽くまでも師弟の関係で。
この小説を読み、ふと浮かんできた懐かしい懐かし~い青春時代の甘酸っぱい思い出。
あらら、一体私は何を言っているのだろう!あな恥ずかし・・・・・。
話をもとに戻す。
小説の面白さはやはりその舞台となる情景が目に浮かぶことにあると思う。
原田康子さんのこの小説は場面場面の描写も克明で、まるで自分がその場にいるような気さえしてくる。
やや退廃的、エキセントリックなストーリーかもしれないが、若さゆえの残酷さ、危うさ、はかなさを、
この年齢になったがゆえに理解できる気もし、幅広い年齢層の読者を惹き付ける小説だと思った。
いつもお読みいただきありがとうございます。
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お久しぶりです。昭和36年はなが生まれた年です!
花水木さんからすれば、はなはまだひよこですね~
恋愛小説は苦手ですが、この年になるとちょっと読んでみたいきもします(笑)
ご報告が遅くなりましたが連れ合いが4月14日に60歳の若さで旅立ちました癌の再発が見つかってから2ヶ月でした。進行の早い癌で、緩和ケアをすすめられて2週間でした。覚悟はしていたのですが、余りに早すぎて実感もなく、
毎日メソメソしています。近視が進んだのも夏にうけた抗がん剤の副作用だったのでしょう。
主人との恋愛時代を毎日のように思い出しています(笑)こんなに淋しいものだとは、思いませんでした。
遺影の彼は少し笑っています。最期の顔も微笑んでいました。思った通りの最期でした。
機械につながれることなく手をつないで看取れました。はな乗り越えるのにかなり時間がかかりそうです。
本の力って、凄いですね。
若かりし頃の想いを、引き出してしまうんだもの。
何を隠そう(真似しちゃいけないね) 私だって女ですもの・・・
揺らぎの時代を過ごしましたよ。理由は分かってます。
結婚後は、妻と子を置いてきぼりにして海外へ行きっ放しの主さん。
きつい御両親に何故か辛く当たられてた何十年間。
隙間に入り込む禁断の恋・・・なんちゃって~
寂聴さんの本読んで、憧れましたね。
この本は大ヒットしましたね~。
私は読んでいませんので いつか読んでみたくなりました。もう図書館でないと販売はしていませんでしょうね。
原田康子さん 忘れられないお名前です。
コメントありがとうございます。
孫娘が青春真っ只中、恋愛小説も孫娘とだぶり、結構面白く読めます。
ご主人様、お悔やみ申し上げます。
まだまだこれからという時にさぞや悔しく残念でいらっしゃるでしょう。
でもはなさんには可愛い元気なお孫さんもたくさんいらっしゃいます。
どうか元気を出してくださいね。ご主人様もそれを一番のぞんでいらっしゃると思います。
またブログでのお付き合いよろしくお願いしますね。
あら!文学少女でいらしただんだんさんが、ご存じなかったなんてちょっと意外です。
私もちょっぴりつっぱった生意気な大学生でして、
自分の殻を抜け出したくて、この主人公怜子の奔放さに憧れました。
w不倫の恋愛小説ですが、感情の揺れを描く原田康子の筆致は素晴らしいです。
もしお時間がありましたら読んでみてください。
え~!だんだんさんにも揺らぎの時代があったのですか?
そう、当時ベストセラーになり、映画化もされましたよね。
確か秋吉久美子さんが主人公役をなさった記憶がありますが、違っていたらごめんなさい。
原田康子さんの書かれた本はこの本以外は廃刊になっているそうですが、
「挽歌」だけはまだまだ販売されているそうですよ。
当時としてはかなりセンセーショナルな内容だったと思います。
ぜひお時間のある時にお読みになってください。
この歳でもちょっぴりドキドキしますよ(苦笑)。
私はまだ読んでいません。花水木さんの甘酸っぱい青春の香りがして、私もその時代を思い出していました。
入学した時、丁度柴田翔「されど我らが日々」が芥川賞。入学当時は難しかったのを覚えています。今読んだら分かるかも。
キャンパスの想い出はやっぱり甘酸っぱくて、胸がキュンとします。(#^_^#)
「されど我らが日々」読んだかどうかよく覚えていないのですが・・・・・。
あの当時学生はみんな左がかっていましたね。
安保闘争の真っ只中でしたから、突っ張って、はすに構え、ポーズをつけて生きていたような気がします
今思えば、恥ずかしい話です、でも真剣でしたものね。
挽歌の主人公怜子にも自分にない奔放さを感じ魅かれるものがありました。
今では何といわがままな女性と思いますが
同じ思考回路ですか?同じ時代を生きてきましたものね。
いえデ某様は私よりお若かったかしら?