ブログ夏休中ですが、読後の感銘、余韻の薄れないうちに備忘録として感想を綴っておきます。
加納朋子?全く聞いたことも、ましてや読んだこともない未知の作家です。
夫が新聞の紹介でこの本を知り、図書館で借り、ま~ま~面白かったよと。
どちらかというと女性向の内容かもしれないと聞き、読んでみることにしました。
<Amazon 内容紹介より>
俺の幼馴染・徹子は変わり者だ。道端で突然見知らぬ人に抱きついたり、
俺が交通事故で入院した時、事故とは全く関係ないのに、なぜか枕元で泣いて謝ったり。
合格間違いなしの志望校に落ちても、ケロッとしている。
徹子は何かを隠している。俺は彼女の秘密を探ろうとするが・・・・・。
互いを思いやる二人の物語重なった時,温かい真実が明らかになる。
「フラット」と「レリーフ」の2章からなり、「フラット」は護という少年の目線で、
「レリーフ」は彼の幼馴染で未来を予見できる不思議な女の子「徹子」の目線で描かれています。
「フラット」も「レリーフ」も同じ時、同じ事象を描いているのですが、目線がそれぞれ違うため、
別のストーリーのように感じてしまいます。
前半、幼馴染の友情とも愛情とも区別のつかぬ感情で、徹子の不思議な行動を護は見守り続けますが、
後半でその謎が徹子によって一気に解かれていく様子は推理小説を読んでいるようでした。
登場人物全てが大変個性的で、許せない嫌な輩もいて重苦しい部分もありますが、
素敵な出会いも沢山あり、全体的には優しいトーンでとても面白かったです。
未来が見える能力ゆえに悩み、孤独に生きていかなければならなかった徹子。
その徹子を見守り支えていく幼馴染の護の大きな力が徹子を救う。
最後は時が流れ、一気に二人の晩年へ。ラストのシーンには誰もが目頭を熱くするでしょう。
加納朋子さんの他の作品も読んでみたくなりました。
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