昨日保護した超古い8ミリカメラの紹介です。
1961年、昭和36年ということは私が中学1年の年に発売。ずいぶん昔です。
富士フィルムのシングル8もコダックのスーパー8も出現する前、ダブルスーパー8カメラです。
駆動はゼンマイ巻きで露出は水銀電池を使います。
62年前のカメラなのにレンズは黴ひとつありません。フォーカス、ズーム、露出リングの感触は完璧です。
この個体は前の持ち主が水銀電池を抜いて保管していたようで頭が下ります。
レギュラー8カメラは両穴の16ミリフィルムに穴(パーフォレーション)を追加したものです。
それを片側撮影したら供給リールと巻き取りリールを反転して往復撮影し、現像に出すと8ミリ幅に裁断、繋いで帰ってきます。
こうして巻き取りリールが残っているということは往復撮影した証拠です。
往復撮影することを知らずに片側しか撮らない人もいたでしょう。
絞り調整部です。F1.4 の明るいレンズ。
カメラ上部にフィルム感度設定ダイヤルがあります。この細かい結晶塗装は当時当たり前でした。
これがシャッター。通常の撮影は "R" 、"1" はコマ撮りで上の穴にケーブルレリーズを入れて撮影します。
下のレバーはハンドグリップとリンクで結合するもの。
CDS 受光部の絞りリングはなんと精巧な作りでしょう。12枚羽根です!
ゼンマイ巻上げのハンドルは凝った作りです。どちらに倒しても爪で起こせるようになっています。
カメラ同梱のグリップは樹脂製ですがひとつ前の型でオプションだった金属製グリップが付けてありました。
この方が重厚で似合います。
グリップ下に三脚穴がちゃんとあります。
レンズは10-40mmの4倍ズームですがこれで十分。
このカメラに限らず50年代から60年代の工業製品は今の物とは全く異質の「本物」です。
今後このカメラを使う機会はフィルムの問題で恐らくないでしょうが、飾っておく価値があります。
チャンスがあれば工房の各種カメラを一同に展示して皆さんに見て触れてもらうことを考えています。
超古いスチールカメラ、8ミリと16ミリシネカメラ、放送用カメラたちを棚に収めて眺めていたんじゃもったいない!
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