夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2014年 5月22日(金)「産業予備軍」

2015年05月22日 22時46分19秒 | 「政治・経済」
ある職種における人手不足と人件費の高騰が続いているという。 企業悩ます人手不足・人件費増、高齢者雇用などに活路 (ロイター)
しかしこの人件費の高騰も労働者全般そして物価上昇により実質賃金は下がり続けているのであるが。
経済が急速に発展した時資本と労働力の不足が生じることがある。企業は設備投資を拡大資するために資本と労働力を必要とするのである。労働力は失業者を減少させることから補給をさせる。軍隊で言えば予備軍である。企業にとってはこの失業者という産業予備軍を必要とする。企業にとっては失業者は必要不可分のもであるから常に作り出しておく必要がある。
最近も完全失業者の減少が目立つ。この意味では産業予備軍は企業に必要とする労働力として活用されはじめたという事である。このために一定程度の人件費の高騰がもたらされる。これでは企業は困るわけである。企業はさらにさまざまな産業予備軍を持っている。それは高齢者あるいは女性の労働力である。昔から労働力の必要性が高まると女性の社会進出が言われた。そしてバブルの崩壊のようなものが起きれば家庭へ帰れと。この高齢者の労働力と女性労働力に加えて現代では不安定雇用者という産業予備軍を企業は持つ。
これらの産業予備軍を総動員することにより労働力の確保と労働賃金の高騰を防ぐのである。
もちろん今現在の労働力不足は経済が発展してきたからではない。
労働人口の減少は、団塊の世代の大量の定年退職にもあるし、正社員を減らしすぎたことによる安定的な良質な労働力が企業内に減少したという事である。このような中で高齢者の年金支給年齢の引き上げが本格化して「労働意欲のある高齢者」が増えてきて企業はそれを低賃金で働かせることができるようになっている。
女性労働力の活用は政府としては管理職にするなどという一見よいような女性の社会進出を言うが、実態は安い労働力の増加なのである。子ども手当もうやむやになり、夫の収入の不安定性が増大する中での「働く意欲のある輝く女性」が求められる。もっともその賃金からバカ高い保育料が収奪されるのであるが。
産業予備軍は労働市場の好転があってもそうは良いことばかりではないのである。
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