夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2017年11月 1日(水)「労働価値説から見たデフレ不況」

2017年11月01日 21時08分45秒 | 「政治・経済」
昨日書きました労働価値説から見た企業利益と成長の続きのようなものです。
昨日は労働価値説から見て企業利益の減少を書きました。
それは生産性の向上による商品価値の低下からでした。一つの商品に必要な労働力量が生産性の向上により減少するからです。
なぜこのようなことを企業は行わざるを得ないのでしょうか?
それは企業間競争にあります。
ある同じ商品を生産する企業がABCの3社あったとします。A社生産性を上げて一つの商品を80円で生産できるようになったとします。BC社は生産性が同じで商品は100円とします。このABCの各社は商品市場に商品を出します。市場での商品価格は平均的な100円で売れたとします。するとA社は一つの商品につき20円の特別な利益を得ることができるでしょう。80円の価値の商品が100円で売れるのですから。市場における独占度から見ると、A社は他の企業よりも10円安く90円で売っても特別な利益は10円残りますから市場において優位に立つことができます。
このように生産性の向上は利益の拡大と市場の独占度を上げることができることから生産性の向上は企業間競争となります。
しかし、BC社も負けずに生産性を上げていきA社と同じ80円の商品生産が始まったとします。この時市場での平均価格は80円となります。100円から80円と商品価格が減少するのもまた企業間競争の湯数理競争によります。
するとどうでしょうか。この産業では商品価値の低下により商品の価格も減少して同じ数量の商品を生産しても企業の利益は減少するでしょう。
この産業内においては、生産性の向上の家庭において商品価格の継続的な低下が起きていることになります。いいかえればデフレです。
ですからデフレもまた労働価値説から見れば必然なのです。
しかしこの産業内の企業は利益が減ったとしても安定的な利益を得ています。しかし企業はこれでは満足しないでしょう。上の例でいえば20%の生産拡大をしなければ初めの利益を確保できません。そこで20%の生産拡大を各社が行います。するとどこかで商品の過剰が生まれるでしょう。特に労働の節約により労働者数や賃金を切り下げて行うならば、労働者の購買能力は低下をします。この労働者の購買能力の低下はさらに商品の過剰を生み出すでしょう。
商品過剰が目に見えてくると企業は生産の縮小に向かいます。労働者の首切りやさらなる賃金低下が起こります。ここから更なる購買力の低下から商品の過剰がまた生み出されます。
ひどいときは先の3社のうち一番生産性の悪い企業が倒産という事になります。
ここまでくると単なるデフレではなくてデフレ不況になります。
こう見ると、デフレ不況時には貨幣量は足りないのでしょうか?確かに市場内の貨幣量は労働者の懐において発生をしますが、貨幣量の問題ではなくて貨幣自体の回転が鈍くなっていると見たほうがいいでしょう。

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