前回までのお話。
ガーデニング初心者のerimaは2つの美しいバラの苗を手に入れる。喜んだerimaは用意周到にそのバラ、ペルディータを植えつけるが、彼女は育たず...。思い余ったerimaはある大きな決断をする。
【後編】
ついにerimaは旅に出ました。片手に抱えているのは、そう、あのペルディータです。
目指すは彼女がerimaと初めて出会った、あの園芸店。
大きな決断を下すときがきたのです。
家を出て十数分。何里ばかりきたでしょう。ペルディータとの出会いの地に着きました。見回せば、たくさんの葉を伸ばしたバラの鉢たちが見えます。
そう、erimaの抱えているペルディータとはまったく様子が違います。erimaは悲しくなって、園芸店の人に事情を説明することにしました。しかし...返ってきたのはさらにerimaを悲しくさせる答えでした。
その人は、erimaの植え付けかたは間違っていないこと、しかしこの時期にきても何の変化もないのなら、この先希望は持てないこと、彼女が芽を出さない責任はこちらにもあるので、彼女と同種、または同じ価値のあるバラを持っていって欲しいということを言いました。
それを聞いてerimaは大そう悲しくなりましたが、その人の言うとおりにするしかありませんでした。しかし、代わりのペルディータの苗はすでにそこにはなく、仕方なくゴンザと2人、中でも1番美しいと思われた「ノーブルアントニー」の鉢を持ち帰りました。
しかし...考えれば考えるほど、やはりerimaはペルディータの面影を忘れることができませんでした。廃棄するために園芸店から持ち帰ったペルディータに視線をなげかけながら、
「こうなったら少々手荒なことをしてでも息を吹き返して欲しい」
そう思いつめるまでになっていたのです。
そこでerimaがまずしたことは、鉢から引っこ抜いた彼女を根っこごとざんぶり、水に漬けることでした。そして、それだけでは手ぬるいような気がしたerimaは、彼女に刺激を与えるために、本来切ってはいけない、太い1本の根っこを半分ほども切るという暴挙に出ました。
そして半分はヤケになって、再び彼女を鉢に収めたのです。
すると...
何ということでしょう!
驚いたことに数日後、ペルディータが息を吹き返しました!
あんなに縮こまっていた芽はみるみるうちに伸び、鮮やかでつややかな葉を吹きださせ、ついには大きな蕾までつけました。
そして。
彼女は大きく花ひらきました。
あの、夢にまで見た、アプリコットピンクの、大きな大きな美しい花です。
その香りはえもいわれず、その姿は、あの絵姿で見たものより、もっともっと、はるかに美しいものでした。
erimaはゴンザと手を取り合い、大きな喜びに包まれました。そばではちびくん、ちゃあこも見守っています。
もちろん彼女と一緒にやってきたアトール99も、そして...あの、ノーブルアントニーも。
こうしてその春、erimaとゴンザの家には、小さなバラ園が出来たのです...。 【おしまい】
...のはず。がっ!!!
今年は再び仮死状態のペルディータ。
去年だってあんなに大きな花をつけてくれたのに...。
あ~、どうしたらいいの~?
ガーデニング初心者のerimaは2つの美しいバラの苗を手に入れる。喜んだerimaは用意周到にそのバラ、ペルディータを植えつけるが、彼女は育たず...。思い余ったerimaはある大きな決断をする。
【後編】
ついにerimaは旅に出ました。片手に抱えているのは、そう、あのペルディータです。
目指すは彼女がerimaと初めて出会った、あの園芸店。
大きな決断を下すときがきたのです。
家を出て十数分。何里ばかりきたでしょう。ペルディータとの出会いの地に着きました。見回せば、たくさんの葉を伸ばしたバラの鉢たちが見えます。
そう、erimaの抱えているペルディータとはまったく様子が違います。erimaは悲しくなって、園芸店の人に事情を説明することにしました。しかし...返ってきたのはさらにerimaを悲しくさせる答えでした。
その人は、erimaの植え付けかたは間違っていないこと、しかしこの時期にきても何の変化もないのなら、この先希望は持てないこと、彼女が芽を出さない責任はこちらにもあるので、彼女と同種、または同じ価値のあるバラを持っていって欲しいということを言いました。
それを聞いてerimaは大そう悲しくなりましたが、その人の言うとおりにするしかありませんでした。しかし、代わりのペルディータの苗はすでにそこにはなく、仕方なくゴンザと2人、中でも1番美しいと思われた「ノーブルアントニー」の鉢を持ち帰りました。
しかし...考えれば考えるほど、やはりerimaはペルディータの面影を忘れることができませんでした。廃棄するために園芸店から持ち帰ったペルディータに視線をなげかけながら、
「こうなったら少々手荒なことをしてでも息を吹き返して欲しい」
そう思いつめるまでになっていたのです。
そこでerimaがまずしたことは、鉢から引っこ抜いた彼女を根っこごとざんぶり、水に漬けることでした。そして、それだけでは手ぬるいような気がしたerimaは、彼女に刺激を与えるために、本来切ってはいけない、太い1本の根っこを半分ほども切るという暴挙に出ました。
そして半分はヤケになって、再び彼女を鉢に収めたのです。
すると...
何ということでしょう!
驚いたことに数日後、ペルディータが息を吹き返しました!
あんなに縮こまっていた芽はみるみるうちに伸び、鮮やかでつややかな葉を吹きださせ、ついには大きな蕾までつけました。
そして。
彼女は大きく花ひらきました。
あの、夢にまで見た、アプリコットピンクの、大きな大きな美しい花です。
その香りはえもいわれず、その姿は、あの絵姿で見たものより、もっともっと、はるかに美しいものでした。
erimaはゴンザと手を取り合い、大きな喜びに包まれました。そばではちびくん、ちゃあこも見守っています。
もちろん彼女と一緒にやってきたアトール99も、そして...あの、ノーブルアントニーも。
こうしてその春、erimaとゴンザの家には、小さなバラ園が出来たのです...。 【おしまい】
...のはず。がっ!!!
今年は再び仮死状態のペルディータ。
去年だってあんなに大きな花をつけてくれたのに...。
あ~、どうしたらいいの~?