あれ?ゴンザが??
「お前はイタリアにいったい何しに来たんだ!?」
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会を出て、
さて宿に帰ろうと、
拾ったタクシーの運転手がそう叫ぶ。
「さっきからiPhoneばかりにらみつけて。ここはイタリアだぜ!」
「もっと見るものがあるじゃないか!」と。
彼は、助手席に座ったゴンザにそう投げかけたのだが、
確かにゴンザは、自分たちが戻る宿の位置を確かめようと、
iPhoneとにらめっこの最中だった。
なるべく正しく住所を知らせようと、
『日本人らしいきまじめさ』で。
我々が乗り込む際、やや定員オーバーであるのを快く許し、
「おい!そこのピッコリーノ。ココに乗れ!」と、
後部の収納スペースを空けては、一人分の席を確保してくれた彼は、
「日本人か?」と陽気に尋ね、
そうだとわかると、そのままお喋りを続ける。
「ナガトモはジャパニーズキングだよ!」
「ホンダ?ありゃダメだ!バカだな、バカ」
(これは私の意見ではなく、あくまで運ちゃんの申し立てですので悪しからず)
ご贔屓のチームの関係からか、サッカー話に日本を絡め。
こちらはといえば、五人も揃って、さすがに長友の名は知ってはいても、
サッカーに詳しくない面々。
ようやく持っている乏しい知識から、
知っている名前を挙げて、彼との会話を試みる。
「ガットゥーゾは?」
「ガットゥーゾ!?ありゃバカだな!
ご贔屓のチームの関係からか、サッカー話に日本を絡め。
こちらはといえば、五人も揃って、さすがに長友の名は知ってはいても、
サッカーに詳しくない面々。
ようやく持っている乏しい知識から、
知っている名前を挙げて、彼との会話を試みる。
「ガットゥーゾは?」
「ガットゥーゾ!?ありゃバカだな!
ガウガウいってボールを追いかけてるだけの犬だから!」
「まるでうちの女房だよ。ガウガウ!ガウガウ!」
私以外は全員男の車内で、異様に盛り上がる日伊の夫軍。
「さっきiPhoneばっかり見てるなよって言ったけど、
「まるでうちの女房だよ。ガウガウ!ガウガウ!」
私以外は全員男の車内で、異様に盛り上がる日伊の夫軍。
「さっきiPhoneばっかり見てるなよって言ったけど、
俺も実は女房に食事中、同じことを言われるんだ。
アンタ!それじゃ何食べてるかわかんないじゃないの!
アンタ!それじゃ何食べてるかわかんないじゃないの!
iPhoneばっかり見てさ!ってね」
「まったく、ガウガウガウガウ!犬みたいだよ!」
またまた盛り上がる日伊の夫軍。
私たちが想像するような、陽気なイタリア人像には、
実はそれまで、ほとんど出会うことがなかったが。
彼はその想像のような、楽しいイタリア人だった。
(あとはソレントのノンノね!)
さらにどのタクシーもがそうであったように、
正確に丁寧に、目的地まで送り届けてくれる、誠実な。
最後に、「あなたのオススメのピッツェリアは?」
私がそう尋ねると、彼はいつ書いてくれたのか、
丁寧なメモ書きを降車の際、手渡してくれては、
陽気にさよならを言った。
「チャオ!」
「チャオ!」
今回のミラノ旅の、良い思い出のひとつである。
「まったく、ガウガウガウガウ!犬みたいだよ!」
またまた盛り上がる日伊の夫軍。
私たちが想像するような、陽気なイタリア人像には、
実はそれまで、ほとんど出会うことがなかったが。
彼はその想像のような、楽しいイタリア人だった。
(あとはソレントのノンノね!)
さらにどのタクシーもがそうであったように、
正確に丁寧に、目的地まで送り届けてくれる、誠実な。
最後に、「あなたのオススメのピッツェリアは?」
私がそう尋ねると、彼はいつ書いてくれたのか、
丁寧なメモ書きを降車の際、手渡してくれては、
陽気にさよならを言った。
「チャオ!」
「チャオ!」
今回のミラノ旅の、良い思い出のひとつである。