ぺギャも憧れる、主役の座!「ジョ、ジョバンニさん...」
チェコは人形劇の国。
繰り返される侵略の歴史の中で、
自らのものではない言語を強要されながら、
『子供向けの人形劇なら監視の目も緩い』と、
チェコ語を継承するために守られてきた。
チェコ語ならではの、『独特の言い回し』で成立した人形劇は、
支配を受けた苦難の時代も、
『文化』として、上演を許されてきたが、
その発展も、また独特で。
今では、国を挙げての保護、
人形遣いの育成までが行われているそうだ。
大人も子供も楽しめるそれは、
社会主義下では、言語の違いを隠れ蓑に、
政治への批判や風刺にも使われたけれど。
今は楽しい見世物となって、
小さな国立劇場や、民間の小屋で上演されている。
『ドンジョバンニ』が演目の中心なのは、
人気があって、スートリーがわかりやすいのも理由のひとつではあるけれど、
モーツァルトが自ら指揮した、このオペラの初演の地が、
プラハだったことにも因んでいるのだそうだ。
親に連れられて来た子供がたてる可愛らしい笑い声が、さらに楽しい気分にしてくれる♪
『チェコ語の継承」エピソードとは別に、
イタリア語で上演されるこの作品は、
酔ったモーツァルトの人形が、指揮をしながら、
居眠りしたり、観客を煽ったり、コミカルで。
客席から響く笑い声も、
楽しさを倍増させる。
言葉がわからなくとも楽しさは同じ。
ただ、
『楽しみを楽しみとして、純粋に楽しめる』ことは、
やはり平和あってこそだろうと。
危機を迎えることで、さらに育ち、熟成し、
再認識される文化もあろうけれど。
あの『小さな小屋』といった風情の劇場が、
これからも平和で、笑い声に溢れているものであればと思う。
扉からこぼれる、
美しい薄明かりと共に。
ま、いくら支配したつもりになっても、操れないものもあるってこった。
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