情報と本能。

たとえば小さな子供が、
自分より、さらに小さな犬や猫を、
「かわいい」「愛しい」「守ってあげねばならぬ者」と認識するのは、
いったいどれぐらいの頃からなのだろう？

ちゃあこと出歩くようになってから、
彼女に対する小さな子供らの仕草が、
とても優しいものなのに驚いて。

または、男の子と女の子。

この、明らかな反応の違いにも、驚かされることがとても多くて…。

「あっ、猫だ！」

そう気づいたとき。
男の子は、興味深そうに寄っては来るものの、
おそるおそる2～3度頭を撫でる程度の場合がほとんどなのに対し、
女の子のそれは、実に感情表現が豊かで、慈愛に満ち溢れ…
その『衝動』はどこからくるのだろうと、考えずにはいられない。

「あっ！猫ちゃんだぁ～♪」

これまでに二度ほど、それぞれ3歳位の小さな女の子が、
ちゃあこの姿を見た途端に駆け寄ってきて、
その小さな頭をそっと抱きしめ、ごくごく自然に頬ずりしたのを見たことがあるが、
彼女らのその仕草は、それはそれは優しく慈愛に溢れていて…

まるで生まれたその瞬間から、
自分より弱くて小さな生き物を守り、
慈しまねばならないと、知っていたかのようであった。

子供を持たない私やゴンザには、
それがとても感動的で、同時に不思議で仕方なく…

果たして、その『小さな生き物を愛しいと思う気持ち』、
（または、性差による反応の違い）は、
世に生まれて以降の『情報』によるものなのか、
『本能』によるものなのかと、
そう考えずにはいられない。

「あれは本能だと思うよ」

三人の子供を持つゴンザ友人は、私の疑問にそう答えてくれるが…
（彼にはやんちゃ盛りの男の子が二人、末っ子である女の子がいる）

やはり女の子のそれは、子を産み育てることを運命とした『本能』が為すものなのだろうか…

ある小さな女の子は、笑顔で見守っていた母親に、
「もう行こう」と優しく促されても、
ちゃあこの頭を優しく撫でながら、
『まったく離れがたい』といった様子で、
その小さな頭に何度も何度も頬ずりをする。

ふんわり、そうっと、その小さな両の手で、ちゃあこの頭を包み込むようにして…

バイバイをして、「またね♪」と少しずつ歩きだしても、
振り返り振り返り…。

そういえば、ある時、
車椅子に乗った老婦人が、
いろいろ話しかける付き添いの人の言葉には少々薄い反応であったのが、
ちゃあこの姿を認めた途端に、
なんとも嬉しそうな笑顔になったのに出会ったことがある。

それもまた、とても印象的な出来事で…

きっと女性というのは、
やはりそういう性に生まれてきたのに違いない。

…いや。

実はバギーに乗っているちゃあこを見て、
ふと優しく顔をほころばせてくれる人には、成人男子もすごく多いんだけどね。

※頂いたコメントのお返事、遅れてごめんなさい。
もう少しお待ち下さい…