先日、パミール高原から帰った夫がウズベキスタンで手に入れてきてくれたアカシアを染めました。
ウズベキスタンのフェルガーナにある『ヨッドゴーリキ絹工房」の アカシア78g ありました。
実はこの工房へ足を踏み入れた夫は「愛する(?)妻のために、染色の材料を手に入れたい」と
鼻息も荒く(たぶんですが)「染色材料をほしい」と申し入れたそうです。
もちろん、お金を払うつもりだったそうですが、あちらでは「いえいえ、ぜひお持ちください」と
このアカシア、カモミール、クルミをくださったそうです。(ありがとうございます)
そんな事情なので、「早く染めろ」とうるさいこと
こちらにも作業の手順があるのです。
昨日、やっと時間を見つけて染め始めました。
アカシアを3度煮出して、5リットルの染め液を作りました。
糸はシルク真綿リング1綛59gを2綛用意しました。
おっと、その前に糸の精錬という洗う作業をして、先媒染としてミョウバンで媒染します。
ボールの底にあるのは、この糸総重量118gに使う生ミョウバン18gです。
これを熱湯で溶かし40℃のお湯に入れ糸を媒染します。
お湯の沸騰後火を止めて30分経ったら洗って染め液に入れて沸騰したら火を止めます。
私の場合は、このまま翌日まで置きます。
翌日洗ったものがこれです。
花びらの染めで、しかもアカシアは初めてなので、堅牢度がわかりません。
そこで色落ち止めを施します。
染め液はリトマス紙によるとPh7でした。
これは色の中間色で、酸性にするかアルカリ性にするかは私のサジ加減です。
つまりこれより明るい色にするならば酸性、落ち着いた色にするのにはアルカリ性を加えます。
そこで私はアルカリを選びソーダ灰を加えました。
そこに浸してできたものが下写真の左です。落ち着いた色になったでしょう?
さて、もう1綛、これは段染めにしたいのです。
そこで後媒染にして酢酸銅を使いました。
染めない部分を荷造り紐で縛り上げ、酢酸銅を溶かした中に入れ10分浸し、洗ってから
もう1度、元の染め液に戻します。
というのも、草木染めは化学剤で終わってはいけない、というのが私のポリシーです。
草木染めに戻して、紐をほどき、この染めは終わりました。
それが右の糸です。
まだらに濃い色が染まっています。
この2綛でどんな織りにするか・・・それはもう考えています。