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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

最高裁都教委の上告を棄却:根津公子さん「君が代」6か月停職取消決定!

2016-06-01 23:47:03 | 東京の根津公子さんからのメール

根津公子さんからのメールです。やったね!根津さん!



昨年5月28日、東京高裁(須藤典明裁判長)は2007年「君が代」不起立停職6月処分取
り消しと損害賠償を求めた事件で、根津・停職6月処分の取り消しと河原井さん・根
津の損賠(各10万円)を認める判決を出しました。

河原井さんの停職3か月処分については地裁で処分取り消し。都は上告せず。

敗訴した都は、根津・停職6月処分と2人の損賠について、上告及び上告受理申し立て
をしていましたが、

最高裁第3小法廷は、5月31日付で都の「上告を棄却」し、「上告審として受理しな
い」ことを「裁判官全員一致の意見で決定した」との「決定」を出しました。

今日、その決定が届きました。

2012年1月16日最判は「職務命令は違法とは言えない」として戒告を容認しまし
たが、「戒告を超える重い処分は違法」とし、根津を除くすべての人たちの減給以上
の処分を取り消しました。

「過去の処分歴」「不起立前後の態度等」(2つを一緒にして「過去の処分歴等」と
いう)がある場合は「戒告を超える重い処分」も可とし、根津の停職3月処分を取り
消しませんでした。

これに倣って、これ以降の裁判は、どれも同じ判決が続き、私だけは敗訴し続けまし
た。

しかし、昨年の須藤判決は、根津について、2006年処分から2007年処分に至るまでの
間に処分を加重する新たな個別具体的な事情はないとして、停職6月処分を取り消し
ました。

何度も同一の「過去の処分歴」を使うべきではないということばはありませんでした
が、

「過去に同様の行為が行われた際に停職処分がされていたとしても、懲戒権者におい
て当然に前の停職処分よりも長期の停職期間を選択してよいということにはならな
い」

「処分の加重を必要とするような特段の事情が認められるか否かという点に加えて、
停職処分を過重することによって根津が受けることになる具体的な不利益の内容も十
分勘案して、慎重に検討することが必要」と判じ、同一の「過去の処分歴」を使って
の機械的累積過重処分を断罪しました。

「停職6月処分を科すことは、…根津がさらに同種の不起立行為を行った場合に残さ
れている懲戒処分は免職だけであって、次は地方公務員である教員としての身分を失
う恐れがあるとの警告を与えることとなり、その影響は、単に期間が倍になったとい
う量的な問題にとどまるものではなく、身分喪失の可能性という著しい質的な違いを
根津に対して意識させざるを得ないものであって、極めて大きな心理的圧力を加え
る」と、停職6月の意味することを明示したうえで、

「自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員にとっては、自
らの思想や心情を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選
択を迫られることとなり、…日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の
自由に対する実質的な侵害につながる」と判じました。憲法19条の実質的侵害に踏み
込んだ判決でした。

また、損賠については、「停職期間中は授業をすることができず、児童生徒との信頼
関係の維持にも悪影響が生じ、精神的な苦痛を受けるだけでなく、職場復帰後も信頼
関係の再構築等で精神的な苦痛を受けるものと認められ、そのような苦痛は、本件処
分の取り消しによって回復される財産的な損害の補てんをもっては十分ではない」
し、都に損害賠償金の支払いを命じたのです。

都の上告を最高裁が棄却し、須藤判決が確定して本当にうれしいです。

昨年の須藤判決が出されたときにも思いましたが、生きているうちに、しかもこんなに早くに勝訴判決を手にするとは思いもしなかったことです。

勝訴判決を手にできたのは、大勢の方が支援して下さったおかげです。

皆さん、ありがとうございました。

この判決確定で最もうれしいのは、「君が代」不起立で停職6月以上の処分が不可となったことです。

都教委は「君が代」不起立者を分限免職に持っていこうとも考えてきた向きがありますが、それも行うことはできなくなりました。

大阪府教委は2回目の不起立をした教員に「次に職務命令違反を行えば免職もあり得る」と記した「警告書」を渡しましたが、判決は「警告を与えることは」だめだと判じています。「同一の職務命令違反3回で免職」(府条例)は破たんしたも同じです。

その点で、実に安堵しました。

私どもの裁判はあと2件(2008年事件、2009年事件)が地裁にかかっています。

引き続きご支援くださいますようお願いします。

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