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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

大阪は変わったか(上)補助金打ち切り センチュリー交響楽団

2013-02-08 15:22:06 | 

※毎日新聞「大阪は変わったか」上(2013.2.6付)でセンチュリー交響楽団のことが取り上げられています。

高校現代文教科書の定番教材に「『であること』と『すること』」(『日本の思想』丸山真著)があります。

日本の近代化の特殊性を述べたものですが、

そのなかに、文化や藝術、学問は、「である」価値で計られるべきもの、つまり、成果がどうとか利益が得られるか

その価値は決まるのではなく、存在そのものに価値があるということが語られています。

対して、政治や経済は「する」価値で計られるべき、つまり成果がどうあったかで判断されるものと対照していま

す。同感です。藝術と政治の価値をはかる基準は違うはずです。

橋下さんは、取り違えているのではないでしょうか。政治の成果が問われれば開き直り、大阪の藝術や文化は

金にならないと、どんどん潰していく。逆なのです。

 

大阪は変わったか:橋下改革の5年/上 補助金打ち切り、センチュリー交響楽団 資金、5・6年で底

毎日新聞 2013年02月06日 大阪朝刊

公演に向け練習に汗を流す日本センチュリー交響楽団の楽団員ら=大阪府豊中市で2013年2月1日、幾島健太郎撮影
公演に向け練習に汗を流す日本センチュリー交響楽団の楽団員ら=大阪府豊中市で2013年2月1日、幾島健太郎撮影

 えんび服やドレスをまとった楽団員たちがホールのロビーに並び、演奏を聴き終えた客たちに頭を下げる。日本センチュリー交響楽団(旧大阪センチュリー交響楽団、大阪府豊中市)は、年4回の「四季コンサート」を11年から始めた。年10回の定期演奏会と違い、テレビなどでなじみのある曲を織り交ぜる。終演後の見送りも、ファンを大切にする姿勢の表れだ。

 橋下徹知事時代の11年、補助金4億円を打ち切られた。大阪駅構内での無料コンサート「センチュリー エキコン」も、同じ年から年10回開いている。楽団員自ら会場でチラシを配り、クラシックとは縁遠い人たちに働きかける。府内に限られていた活動エリアも、滋賀、三重、広島など7府県に広げた。

 ただ、補助金に代わる資金調達は容易ではない。不景気の中、企業による多額のスポンサー料は期待できない。昨年春には、全国有数の預金額を誇る在阪の信用組合が2億円の資金援助を検討したが、社内の異論もあって見送りになった。

 個人スポンサーをこまめに募ろうと、会員特典やカード決済の寄付制度も導入した。それでも11年度の寄付金は1811万円だ。公演増に伴い11年度の観客数は約1万5500人に増えたが、1公演あたりの観客数はほぼ横ばいで収支改善には至っていない。

 あるベテラン楽団員の年収は歳出削減のあおりで、この10年間で約100万円減った。日々の練習や公演のほか楽団のPRにも携わりつつ、生活費を切り詰めて暮らす。「楽団員の努力でなんとかやってきた。夢と感動を与える仕事だから、暗い顔はしていられない」。自らを奮い立たせる。

 競争にさらされて、楽団は営業努力を促された。熱意が伝わったのか、ファンからは「演奏に魂がこもっている」との評価も寄せられている。望月正樹・楽団長(45)は「改革の成否はまだ判断できないが、危機感の裏返しで若手を中心にやる気が高まったのも事実だ。演奏もこれまでにないくらい良い状態だ」と前向きに語る。

 それでも−−。府の補助金が完全に打ち切られた11年度には、約2億6000万円の赤字が生じ、20億円の資金の一部を取り崩した。12年度もほぼ同額の赤字が見込まれる。今のペースなら、あと5、6年で資金が底を突く。その先の姿は見えていない。

    ◇

橋下市長が08年に府知事に就任し、大阪の再生を託されて5年がたった。後継の松井一郎知事とともに取り組んだ「改革」によって、生活や街はどう変わったのか。現場で探った。

 ◇文化にも競争と自立

 橋下氏は「特定の文化や団体を行政が決め打ちして支援するのはおかしい」と主張。団体への財政支援を見直し、競争と自立を迫る。府が89年に設立して支援してきた大阪センチュリー交響楽団(当時)に対しても、年約4億円の補助金を09年度から削減、11年度に全廃した。大阪市長としても、文楽協会の運営補助額を観客数に応じて決めることにした。府と市は14年度から、専門家らが事業ごとに審査して助成対象を決める「アーツカウンシル」制度を導入する。

 

文化や芸術の価値までも、市場原理に応じて「競争」に打ち勝つことが求められるでしょうか?

センチュリー交響楽団は、大阪の多くの中学生や高校生に「学校公演」という形で夢と感動を与えてきたはずですが…。

 

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