※渡部秀清さんからのメールを掲載します。
<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」・「新芽(germinal)ML」の渡部です。
2月14日、大阪(府大東市)で小学5年男児の飛び込み自殺が起きた。
現場に残されたメモには学校の統廃合中止を求めることが書かれていた。
報道によると、男児は13日に、
(17日に予定されていた)「閉校式を止めることができないか」
「学校がつぶされるのに僕たちの気持ちを誰も聞いてくれない」
というような事を話していたという。
そして、メモには
「どうか一つのちいさな命とひきかえに、
とうはいごうを中止してください。」と記されていた。
「僕たちの気持ちを誰も聞いてくれない」という言葉は、
桜宮高校の生徒たちが記者会見した時にも同じような
気持ちを抱いたのではないだろうか。
桜宮高校は、橋下大阪市長の強い要請で
結局生徒(保護者も)たちの声を聞かず、
体育科の入試を中止した。
同じく、自殺によりクラスメートを代表する形で
問題提起をせざるを得なかった児童の声に対しても、
大東市教委は既定どうり統廃合を進めるという。
いずれも子どもたちの声は全く無視され、
踏みにじられている。
要するに子どもたちは今、
大切に扱われていないのである。
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こうした中、15日に開かれた
「教育再生実行会議」第二回会合で、
いじめ対策として、規範意識を醸成するため
小中学校で「道徳」を<教科>にするということで一致したという。
一方で、統廃合などで教育条件を悪化させておきながら、
他方では、上から目線で
子どもたちの「規範意識」を強めようとしている。
これは戦前の「修身科」の復活に他ならない。
行き詰った日本社会を打開するには、現在、
「科学的批判的な思考」と「明朗快活な精神」こそが求められている。
しかし、「道徳」の教科化では、行き詰った社会で、
枠にはまった「規範意識」を持った従順な人間になれ、
と言っているようなものである。
戦前を見てもわかるように「道徳」を強調した教員ほど、
天皇(「日の丸・君が代」)に対しては忠実だったが、
生徒に対しては「体罰」を振るい「非道徳的」な人間だった。
(今も?)
また、あれだけ「修身科」をやらされた日本兵が、
戦争中他国民にどれほど酷い「非道徳的」なことをしたことか。
(さらに日本軍の中でもいかに酷いことが行われていたかは、
野間宏の『真空地帯』などに描かれている)
現在でも、
「道徳」を重視している千葉県の森田知事は、
自民党でありながら「完全無所属」と
ウソをついて知事になった。
また、「道徳」を強調する石原前都知事や橋下大阪市長らの、
見聞きに耐えない言動を見ても、
彼らの「非道徳さ」は明らかである。
子どもたちを取り巻く物質的・精神的状況は
さらに悪化(貧困化)していると言わざるを得ない。
私たちは、こんなつまらない「道徳科」に対しては、
子どもたちと一緒になって、
「綺麗事!バカバカしい!」と笑い飛ばし、
子どもたち(大きな視点から見れば<学友>である)と共に、
「科学的批判的な思考」を強めなければならないだろう。
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この「One for All ! All for one !」のメールは、
この春の東京都の入学式でたった一人の被処分者になった
田中聡史さんの闘いを支援し、処分を食い止めるためのものです。
11月7日の東京高裁判決は田中さんにも有利に働くと思います。
(その後の第二次安倍内閣の誕生も気になりますが)
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