お馴染みの渡部通信を今回は、前編は橋下徹大阪市長に対する問責決議案を巡って等の政治状況に関するコメントを、後編は第4回「日の丸・君が代j問題等 2013全国学習交流会の案内、二つに分けて掲載します。
5月30日、大阪市議会で、
自民、民主系、共産が提出した橋下大阪市長の問責決議が、
公明が一転して反対に回り否決された。
市民不在、党利党略に基づく公明党の裏切りとしか言い様がない。
「水に落ちた犬を撃て」という言葉がある。
撃ち損じれば、助かった犬がまた獰猛になって人々に
襲いかかってくるからである。
その後の橋下のツイッターなどを見ると
まさにその通りである。
自己の問題発言を自分勝手に捻じ曲げ、論点をすり替え、
正しく報道したマスコミの方を攻撃している。
また、あたかも自分こそ世界の女性の味方のような論調である。
外国特派員協会での会見(5月27日)で見られた、
彼のアメリカへの卑屈な態度は、
6月3日に、
オスプレイの訓練の一部を大阪府八尾市の空港に受け入れる、
と突然表明したことにもよく表れている。
地元になんらの打診もないまま、
地元の市長でもないのに、である。
彼は完全にアメリカの〇になりさがったのであろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5月3日、野中広務元官房長官は、
中国共産党序列第5位の劉雲山氏と北京で会談し、
尖閣諸島問題について、
「(1972年の)国交正常化時に、両国の指導者の間で
棚上げするとの合意があった」、
と述べた。
それに対し劉氏は、
「現在の日中対立の責任は日本にある」、と指摘、
「両政府間の対話で解決したい」、
とも表明した。
しかし、これに対し自民党政権は(民主党政権もだったか)、
「領土問題は存在しない」として、
一貫して問答無用の態度をとり続けようとしている。
しかし、劉氏も言うように、
今回の問題は石原前都知事の尖閣購入問題と、
野田内閣による国有化によって、発生してきたのである。
言ってみれば、「棚上げ状態」だったのを、
日本が一方的に踏みにじったのである。
したがって、ここに来てなお、
自民党政権が「領土問題は存在しない」という問答無用の態度を取り、
「対話」にも、歩み寄りにも応じないのであれば、
日中関係はさらに悪化し、武力衝突の可能性さえ起きてくる。
野中・劉会談は、行き詰った日中関係を打開する
大きな指標となるべきであろう。
こうした状況下、6月7~8日にはアメリカで米中首脳会談が開かれる。
果たしてどのような結果が出るか。