今回の渡部通信は、シリーズ「2013年全国学習交流会」の最終第26版です。
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文科省にもいた“水野靖久復興庁参事官”
2013.8.28
辻谷博子
「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会の文科省交渉に参加して3年目になる。いわゆるキャリア組と呼ばれる若い官僚たちと現場で直接生徒とかかわっている私たちの「交渉」はなかなかかみ合わない。しかし、中央教育行政にかかわる彼らに少しでもわかってほしいと、これまでも問題提起をして来たつもりだ。
ところが、昨年の交渉を終えた翌日、信じられないようなことが起こった。私は「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪全国集会実行委員会公式ツイッターを担当している一人である。
前日の交渉について、誰か発信していないか検索したところ、驚くべきツイートを発見した。ツイッターと言うのは、140文字以内の「ツイート」と称される短文を投稿できる情報サービスで、いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービスと呼ばれるものの一つだ。不特定多数の人に発信できるという点では社会運動には有効なツールだ。しかし、140字と極めて短い発信になるため、ややもすると感情的になりがちな面は否めない。
2カ月ほど前、水野靖久復興庁参事官(当時)が、ツイッターで「左翼のクソども」などと市民団体への中傷を行なっていた事件が報道され全国的に批判の対象となった。根本匠復興相はすぐさま6月21日記者会見を開き、国家公務員法に基づき水野氏を停職30日の懲戒処分にすると発表した。根本復興相自身も1カ月の大臣給与の自主返納を表明した。
この報道に接して思い出した。昨年の屈辱的な文科省の若い官僚のツイートのことがありありとよみがえってきた。そのツイートは、今でも、だれでも閲覧できる状態として黒沼一郎氏のツイッターにある。当時、こちらのツイッターに「リツイート」(引用)したので、まず、それを見てもらおう。
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2012年08月11日(土)
Ichiro Kuronuma@kouro16
↓「日の丸・君が代」裁判全国学習・交流集会とかいう集団のようだが、文科省に来て、どこどこの自治体がやっているこれこれは、どういうことなんだ、的な話をしにくるのは、来る場所を間違えている。その自治体に聞いてくれ。……まぁ、紹介する議員の問題でもあるが。
Ichiro Kuronuma@kouro16
↓昨年は私も出席したが、今年は部下に行ってもらった。どうやら、他の課も同じ判断をしたようだな。……大体、こっちの説明を聞く気もなく、何を説明しても自分の意見で怒鳴るだけの人達には、誰が応対しても(応対しなくても)一緒なんだが。まぁ、部下には悪いことをした。
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黒沼一郎氏はフェイスブックやっている。ツイッターも実名で、しかも文科省の役人であることを明らかにしている。その上でこのツイートである。文部官僚にとって、交渉は言う前でもなく公務である。ところが、交渉に来た私たちを見下すばかりではなく、紹介議員まで愚弄している。他のツイートも見たが、どうやら彼は公務の愚痴をかなり、この私的なツイッターでつぶやいているようだ。そのとき、久しぶりにあった教え子にこの一件を伝えると、「国家公務員法に抵触するおそれがありますね」と、やはり信じられない顔つきであった。
本来なら謝罪を求めてしかるべきところであるが、全国からの交渉参加者にとっては、時間はいくらあっても足りない状況であり交渉時間を削るわけにはいかず、冒頭、若い官僚たちに注意喚起をするに留めた。ところが、である。応答した若い文科省役人は「私は、フェイスブックもツイッターもしないので…」を何度も繰り返すありさまだ。またしても、あなた方は公僕なのですよと諭したくなった。
本年の、いや本年も、極めて貴重な文科省交渉が、すれ違いの徒労に終わったことは言うまでもない。どうすれば、若くて「優秀な」彼らに、いま、現実に起こっている教育ファシズムとも言える状況を伝えることができるのだろうか。
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8月26日、「文科省交渉」(午前中)の後、「最高裁要請」(午後)でした。ここでは9月初旬の最高裁判決を前に、以下の要請が行われました。
1、都障労組(3人人)の『公正な審理と判決を求める要請書』
(1人は減給処分の河原井純子さん)
2、東京小中(10人)の『大法廷にて公正な審理と判断を求める要請書』
3、累積加重処分取り消し(近藤順一さん)の『最高裁に公正な判決を求める要請』
4、米山良江さんの『判決を前に改めて訴えます』
ちなみに、最高裁判決は以下のような日程です。
・ 〃 15:30~ 第1小法廷 累積加重処分取り消し裁判(近藤順一さん)
・9月6日(金) 14:00~ 第2小法廷 東京「君が代」第二次裁判(62人。減給21名・停職1名あり)
・ 〃 15:30~ 第2小法廷 米山さん(戒告処分・非常勤講師合格取り消し)裁判
・9月10日(火)14:00~ 第3小法廷 都障労組3人(1人は減給の河原井さん)裁判
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最後の「報告集会」では、
「文科省交渉」と「最高裁要請」の報告・感想などが出されましたが、省略します。
以上、2日間にわたる集会・行動を通して基本的には以下のようなことが明らかになったと思います。
1、安倍政権の下で、改悪教育基本法の具体化があらゆる面で進行していること。しかもそれは改憲の動きとセットになって急速ピッチで進行していること。しかし、それに反対する既存の野党・組合などの力は弱まっていること。
2、そうした中、今回の「全国学習交流会」では、これまでの「『日の丸・君が代』問題」に「等」を加え、 「日の丸・君が代」強制反対闘争を軸に、教育戦線での闘いを進めるための「全国ネットワーク」形成の提起が多くの参加者に受け入れられたこと。そして、それに向けての情報交換や人的交流を進めていくことが、参加者全体の共通認識となったこと。
このことは今後、各地での具体的な闘いと相互交流を通じて、一歩一歩進んで行くであろうと思います。(当面、<東京>と<大阪>が車の両輪の役目を果たし、運動をけん引することになると思います。)
最後に、今回の集会に来られた北村小夜さんが、「季刊ピープルズ・プラン」61号(2013年5月)に書かれた『安倍政権の「教育再生」計画』という論文から、その一節を紹介したいと思います。
(教育再生実行会議は)「4月4日に第四回会合を開き提言を出し続けている。その危険な野望は、全面的な教育の国家管理であり、憲法改悪につながることである。それにどう対決するかが与えられたテーマである。自分の教員生活を顧みて忸怩たるものがある。戦後一貫して、なかでも臨時教育審議会以降、巧みな教育委員会・教師・制度批判のレトリックによって改革の必要性を訴え不都合な政治主導の改革が行われてきた。私たちはその都度たたかってきたつもりであるが、 実態は後退りの連続で『戦わない』憲法を持ちながら軍隊を持っているように、安倍の『教育再生』のかなりの部分で実体化させてしまっている ことを認識するところから考えなければなるまい。すなわち戦後をやり直すことである。」
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(追)
8月30日(金)、秋の闘い第一弾!
田中聡史さんへの再発防止研修が板橋特別支援学校で行われます。
抗議行動は以下の予定。どの時間帯でも結構です。
多数お集まり下さい。
7:30~ 板橋特別支援学校前で職員にチラシまき。
8:30~ 校長に申し入れ
10:00~ 校門前で監視・抗議行動
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://houinet.blogspot.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hinokimi