不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Cantieri in Chiesa di Santa Croce

2005-07-30 22:24:00 | アート・文化
2004年7月1日のエントリ
あれから既に一年とひと月。

一応予定通りに物事は進んでいるとみてよいのでしょうか。
2005年7月28日にサンタ・クローチェ教会の
中央主祭壇のフレスコ画の修復のために
修復工事用の足場が組まれました。
9階建て(25メートル)の鉄骨の足場の最上階に
修復に関する情報コントロールルームが設けられ
作業のしやすいようにネオンで明るく照らされ
階段だけでなく
作業者の便宜を図るために
エレベーターも設置されています。
この足場だけで既に40万ユーロが費やされたとか。

修復の対象となるフレスコ画は
Agnolo Gaddi(アーニョロ・ガッディ)が
1380年から1390年にかけて手がけた
「聖十字架伝説」。
中央祭壇の壁を覆い尽くすフレスコ画の総表面積は
1000平方メートルにのぼります。
左上段の「アダムとセスの死」から始まる
聖なる十字架の伝説。
修復には5年の月日が必要と予測されています。
しかし、足場を組んでよくみてみたところ
想像以上に損傷が激しいことが確認されており
既に5年の月日と予算では
無理かもという声も上がっています。

この修復には金沢大学がふかぁく関わっているので
足場が組まれてすぐに、
関係調査団と共に金沢大学の関係者も
上のほうまで登って間近から
このフレスコ画を鑑賞したようですが
何しろ、普段は手の届かない高い場所。
どうも修復の前にチリや埃の除去が必要みたいです。
くもの巣もいっぱい張巡らされていたとか。

教会側は公開修復を決定しているので
2005年秋から小グループでこの足場へ上って
近くから傑作を眺めることができるようになります。
詳細はまだ発表になっていませんが
一年間で100万人のアクセス、つまり一日に6000人の
アクセスを見込んでいるということなので、
この足場に登れる可能性は高いです。
楽しみ!


この作品の登場人物は
すべて等身大で描かれているのだそうで
また非常に細かいところまで
筆入れしてあるというのも興味深いです。
(川の中を泳ぐ魚も確認できるとか)
こんな大仕事。
1300年代終わりの技術では
どんなに骨の折れる仕事だったかと思うと
頭が下がる重いです。
今でこそ、こんな立派な足場が組めるけれど…。

こんな大作ですが
これまで
まともな修復が行われていないというので驚き!
この修復でいろんなことが
明らかになるのではといわれています。


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