不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

L'autunno che gode l'Arte

2005-10-04 01:14:12 | アート・文化
日本はなぜ秋を一生懸命プロモーションするのだろう。
「食欲の秋」
「スポーツの秋」
「読書の秋」
「芸術の秋」などなど。
過ごしやすいけれど、気づけば終わってしまうような季節を
なんとか一生懸命楽しむために
毎年、プロモーションしているみたいな感じ。

イタリアにはそういう感覚がない。
食欲は一年中盛大にプロモーションしているし、
そのほかの分野は個人の勝手で
適当に気が向いたら楽しんでいるよみたいな・・・。
みんなで秋を堪能する気配はあまりない。

でも日本人としてはどうしても
秋となるとむずむずしてなんか精一杯楽しみたいと思う。
そんなのは私だけかもしれないけれど。

ということでフィレンツェにいるからには
手っ取り早いのが「芸術」を堪能する秋。

Donatelloの作品が5年に亘る修復を終えて
一般公開になったばかり。
いずれはMuseo Bargello(バルジェッロ博物館)の
ドナテッロの間に常設されることになるのですが
10月1日から2006年1月8日までは
同美術館の地階部分で特別展示。
「Amore-Attis」。
ドナテッロの作品の中でも
最もミステリアスといわれるブロンズ像。
ヴァザーリの著した「列伝」でも触れられています。
上半身は無邪気な天使のような表情をもち
下半身は森の神ファウヌス(Fauno)に似て
そして、両足のくるぶし辺りに
マーキュリー(Mercurio)のような羽が生えている。
その上、当時の習慣からは外れた奇抜な服装。
見ておかない手はない。

フィレンツェは観光都市なのに、
ここ数年、観光業があまり振るわない。
というのも、フィレンツェの物価が高いせいもあって
観光客が滞在日数を減らしてきているから。
そんな「食い逃げ」状態の観光客を繋ぎ止める方策として
この秋から一年に亘って、
様々な展覧会が開催される予定。
「Firenze 2006, un anno ad arte」
このプロジェクトには1100万ユーロをかけたフィレンツェ。
意気込みはすごいみたいです。

2005年10月2日から2006年5月15日:
ピッティ宮殿内銀器博物館
「Mythologica et Erotica」
神話とエロスをテーマにした展覧会

2006年3月1日から:バルジェッロ美術館にて
ジャンボローニャ展
なんと、ジャンボローニャのアンソロジー展は
これがイタリアで初めてだとか

2006年3月:ウフィツィ美術館にて
「La mente di Leonardo」
レオナルド・ダ・ヴィンチにスポットを当てた展覧会
ウィンザーコレクションから素描
ヴァチカン美術館から「サン・ジローラモ」も出展予定

2006年5月9日から:アカデミア美術館にて
ロレンツォ・モナコ展
後期ゴシック派画家の展覧会

2006年5月から:ピッティ宮殿にて
フィレンツェの宮廷で繰り広げられた
芸術と手工芸をテーマにした展覧会

2006年11月から:ピッティ宮殿内銀器博物館にて
フリーニ(Furini)展
フィレンツェには珍しいバロック絵画の展覧会

2006年12月22日から:ピッティ宮殿内パラティーな美術館にて
「Anna Maria Luisa de' Medici, Elettrice Palatina」
メディチ家の最後の継承者となった
アンア・マリア・ルイザをテーマにした展覧会

芸術の秋を堪能するからといって
一年も先の秋のことまで心配することはないんですけど。


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