不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Palazzo Corsini e Fuochi Artifici

2005-10-06 23:29:00 | アート・文化
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フィレンツェの貴族で
現在でもいろんな形で文化活動に関わっているコルシーニ家。

アルノ川沿い、
トリニタ橋(Ponte di S.Trinita)の下流
ほぼカッライア橋(Ponte alla Carraia)に近いところにある
コルシーニ宮殿(Palazzo Corsini)では
現在(2005年9月30日から10月9日まで)
隔年開催の「国際アンティーク見本市」が開催されています。
1959年に骨董商Mario Bellini(マリオ・ベッリーニ)と
Giuseppe Bellini(ジュゼッペ・ベッリーニ)によって始められた
このアンティーク市は今年で24回目。

90店の骨董商が世界各地から集まってきていて
その会場周辺(つまり我が家の近所)は
いつになく、まじめで且つ華やかな雰囲気。
その手のなんとなく高尚な方々が闊歩しています。
見本市なので一般客も入場料さえ払えば
自由に入ることができるけれど
なんとなく気後れしてしまう。
ちょっとジーンズで行ってはいけないような気分。

このアルノ川沿いにある堂々とした風格のコルシーニ宮殿は
1649年にFilippo Corsini(フィリッポ・コルシーニ)侯爵夫人であった
Maria Maddalena Macchiavelli
(マリア・マッダレーナ・マッキァヴェッリ)が
当時のトスカーナ大公Ferdinando II(フェルディナンド二世)から
購入したもので、1650年から大改装が始まり、
彼女の息子Bartolomeo(バルトローメオ)の時代に完成。
改装工事は当初Alfonso Parigi il Giovane
(アルフォンソ・パリージ・イル・ジョーヴァネ)に依託され
後にそれを引き継いだFerdinando Tacca
(フェルディナンド・タッカ)が1671年に完了。
その後、1685年にFilippo Corsini Junior
(フィリッポ・コルシーニ・ジュニア)が
Antonio Ferri(アントニオ・フェッリ)に依頼して後期バロック風に。
この宮殿は1730年にクレメンテ12世として教皇になり
ヴァチカン図書館を拡張し
ローマのカピトリーノ美術館を創設したり
有名なトレヴィの泉を手がけたりした
Lorenzo Corsini(ロレンツォ・コルシーニ)も
暮らしたことがある由緒正しきお屋敷。

そんな正統派のお屋敷では
1997年から、それまでの開催場所であった
Palazzo Strozzi(ストロッツィ宮殿)から引き継いで
隔年で国際アンティーク見本市が開催されるようになりました。
この見本市の入場料とパーティーチケットなどの一部は
フィレンツェの美術品修復に当てられています。

で、6日の夜。
コルシーニ家では
このアンティーク市関係者の舞踏会なのか
晩餐会なのか、何か催し物があり、
宮殿から流れてくる音楽に合わせて
宮殿の前を流れるアルノ川の対岸から打ち上げ花火。
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これが、コルシーニ家の財力を
いやというほど見せ付ける盛大な花火。
6月24日のフィレンツェの祝日の花火よりよっぽど豪勢でした。
奏でられる音楽に合わせて強弱のつけられた花火は
もちろんすべて計算尽くめで仕掛けられたもので
日本との繋がりも強いコルシーニ家だけに
もしかしたら日本の花火職人さんの手が入っているのでは
と思わせる出来栄えでした。
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アルノ川の水面を這うような花火もあり
季節はずれの大爆発花火に
さぞかしアルノ川の住人であるヌートリアは驚いただろうなぁ。
明日の新聞に
「アルノ川にヌートリアの死体多数」とか出ませんように。

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