不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Camminamento del Palazzo Vecchio

2009-06-09 06:38:17 | アート・文化

現在もフィレンツェの市役所であり
古くから政治の中心であった
Palazzo Vecchio(ヴェッキオ宮殿)には
Torre d'Alnorfo(アルノルフォの塔)
と呼ばれる塔が聳えています。
その塔の付け根の部分、
1310年に完成した最初の執政官の宮殿の一部で
長方形の宮殿の外壁をぐるりと囲うようにめぐらされた回廊が
いわゆるこの宮殿の連絡壕となっています。
地表から約42メートルの部分にあたり、
3年ほど前に壁に約12センチの亀裂が見つかり、
危険な状態になったことから閉鎖され
約560,000ユーロをかけて
1年ちょっとに及ぶ修復が行われました。

修復が終わり、
2009年6月8日より、再び一般公開となっています。

城壁の様相を呈するこの宮殿は、
実際に敵が攻め込んできたときには
この上層階に設置された回廊を外部偵察のために利用し
また狭間から攻撃を仕掛け、
床の部分に作られた覗き穴から
熱した油を投下したりして抗戦をしていました。
現在もこの床穴は残っており、ガラスが張られた状態で
そこから真下のシニョリア広場を眺めることもできます。

公開となった壕の更に3メートル上には
もう一層別の壕がありますが
この部分はまだ昔のままに近い状態で残っていて
一般公開するには整備が整っておらず、
一部危険な部分もあるということですが
この部分についても今後時機を見て整備を進め
いずれは公開する方向のようです。

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Il Camminamento del Palazzo Vecchio
2009年6月8日から2009年6月30日までは完全予約制
2009年7月以降は1日2回、各30名限定の公開予定
入場料は通常のヴェッキオ宮殿入場料(6,00ユーロ)
に2,00ユーロプラスの8,00ユーロ。
予約はとりあえず電話受付のみ +39-055-2768224