不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Trattamento all'Ufficio pubblico 3

2009-07-24 19:22:55 | 日記・エッセイ・コラム

果たすべき任務はまだ1%もこなしていませんが
すっかりぐったり。

前回までのお話はこちら

電話を切ったマントヒヒは
部屋を出てどこかへ消えました。
しばらくすると戻ってきて
「ほうら、私の言ったとおりよ。
今日はアポなんて取れないのよ、まったく手間がかかるわ。」
あ、ではどういった手続きをすればよいのでしょう。
「さっき言ったでしょ、聞いてなかったの。」
念のために。
「あんたの同僚にも言ったとおりよ、そっちで確認しなさいよ。」
は。わかりました。ではそうします。
ではこの書類はお渡ししていくので
60日の手続きを経て書留で召集命令を送ってください。
↑念のために確認してみたけれど、
確認しなくてもマントヒヒのいったことはわかっているのだ
という自己表示のつもりで繰り返してみましたが
無駄な攻撃だった…。
「けっ。ダメよ、この書類は受け取れないわ。」
なぜ?
「定型フォームじゃないからよ。
こんなニセモノみたいな書類受け取れないわ。」
弁護士が用意したものなのに、定型フォームじゃないと。
ではどれが正しいのですか?
「これよ。」
同じじゃんか!と思ったのだけれど確かに微妙に一文違う。
「ここの一文が鼻くそみたいに邪魔なのよ。」
わかりました、では作成しなおして持ってきます。
「さっさと帰りなさい。」

後ろも見ずに部屋を立ち去り階段を駆け下り
役所を飛び出してすぐに同僚に電話。
書類の定型が間違っているから受け付けられないって。
とりあえずオフィスに帰るから。

オフィスまで徒歩約20分。
なんか腑に落ちない気分で
ひたすら熱射病になりそうな暑さの中を歩いて帰り
到着するとすぐに電話がなり
さっきの同僚が「もう一回その書類持って行ってくれ」と。
なんで…。
もうイヤだ…。

私がオフィスに向かっている間に
彼はローマから電話してマントヒヒと改めて話し
我々が用意したフォーマットは
労務局のホームページから
弁護士がダウンロードしたものであることを説明、
改めて弁護士に手続きの流れを確認し、
やはり書類提出時に
アポが取れるべきであることを主張したそうで。

結局のところ、
スカートはいた厚化粧のマントヒヒ秘書が
手続きを間違えていたのであって
我々に落ち度がないことが発覚。

しかし往復40分歩く私の身にもなってくれよ。
暑い中とんぼ返りで労務局へ。
営業時間を過ぎていたので
入り口の扉のところでまたひと悶着あり
マントヒヒ秘書のところに行くのだ
と説明をしているところに
当のマントヒヒが
自動販売機のコーヒーを飲み終えて
通りかかり、私を発見。
「あらぁ、あなたを待っていたのよ。
早く通しないよ、そこ!」
待ってなかったじゃん、今コーヒー飲んでたじゃん
とは思ったけれど、まぁ業務終了さよなら!って
帰ってしまわなかっただけでよかったよ。

手のひらを返したような対応で
2階まで案内され、
書類が受領されアポが取れ
アポの日時が記載された書類が手渡され。
たった5分の手続き。

「じゃぁ、9月7日に待っているわよ。
2度も足運ばせてごめんなさいねぇ。」
私じゃないって、今度来るのは。
当事者の書類提出は認めないっていうから
私がいやな思いしてまで代理で来ているのに。
本当にマントヒヒは
自分の仕事の内容わかっているのでしょうか。
そんな人が秘書やっててちゃんと機能するんでしょうか?

なんか、イタリアが機能しないのって
やはり一人ひとりの能力の問題なんじゃないかと
つくづくと考えさせられました。
イタリアのお役所さ、
もうちょっとまともな人間を雇ったほうがいいと思うよ。
少なくとも一般市民と接する人には
ある程度の教育したほうがよいと思うなぁ。

決してすべての公務員がこのレベルだとは言いませんが
往々にしてこういう情景が繰り広げられるわけです。

たった5分で終わる作業に
往復40分2度させられ、あちこちで痛めつけられ
私の貴重な午前中はこうして終わり
その日は昼休みもとれず
当然ランチも食べずにしかもサービス残業までした。
われながら馬鹿だ…。