不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Villa Medici a Roma

2009-07-28 06:40:19 | アート・文化

スペイン階段を上りきったところに
サンタ・トリニタ・デイ・モンティがあり
その西側に構えるのがVilla Medici。

それ以前からローマにあったフランス・アカデミーが
1793年に火災にあっていることもあり
1803年にナポレオンが
ここにフランス・アカデミーを移行して以来
現在までフランス・アカデミーの所有であり、
その宮殿は長く一般に公開されたことがありませんでした。

ミッテラン元大統領の甥っ子に当たる
フレデリック・ミッテランが
フランス・アカデミー館長を務めていましたが、
サルコジー大統領の強い希望で、
フランス国内の文化大臣に任命され
数週間前にローマをあとにしています。
彼が就任中にこの宮殿の一般公開を決め、
現在初の一般公開中。

もともとはモンテプルチャーノ出身の
枢機卿Giovanni Ricci
(ジョヴァンニ・リッチ・ディ・モンテプルチャーノ)の所有で
建物はNanni Lippi(ナンニ・リッピ)が手がけています。
彼自身は完成を見ないうちに他界し、
その息子が建築を引き継ぎ
一説ではミケランジェロも携わったとも言われています。

1576年にメディチ家のフェルディナンドが
枢機卿としてローマに赴任した際の居住地として購入、
Bartolomeo Ammannati(バルトロメオ・アンマンナーティ)が
大きく改装を行って現在のような姿で完成させています。

特に市内を向いている正面ファサードはシンプルですが
内部の庭園に面した面はアラ・パチスなどから持ち込まれた
レリーフ彫刻で華やかに装飾されています。

Facciata

Facciata_interno

Rilievo

2000年の大修復の前まではクリーム色の壁でしたが、
この修復の際に
1500年代の建物の色に戻すという決定がなされ
大理石やトラベルティーノを粉砕して塗料に混ぜた
白壁に塗りなおされています。
石材を粉砕して混ぜているため、
太陽光線が当たると
きらきらと煌くような効果を生み出します。

今回初めての公開となったのは
宮殿の1階と2階部分で
週末は30分おきに設定されているガイド付きで
宮殿内を見学できます。
(ガイドはフランス語かイタリア語)
宮殿東側の塔部分に当たる
狭く急な螺旋階段を上り2階へ。
2000年に建物は修復され、
2008年に絵画作品の修復が終わったとはいっても
実際には普段公開されていないので、
なんとなく寂れた感じがします。
1700年代のソファやベッド、机が置かれているだけです。

2階にある3部屋の天井画はいずれも
Jacopo Zucchi(ヤコポ・ズッキ)の作品で飾られています。
東側の部屋は
フェルディナンド・ディ・メディチの希望で
非常に奔放な愛の営みを描いた作品で
飾られていたようですが
彼のあとに居住地として利用した
コジモ2世の趣味に合わず
ほとんど外されてしまい、現在は小さな作品が4点残るのみ。
真ん中の部屋の天井画はゼウスの結婚がテーマですが
フェルディナンドの結婚をシンボル化しているといわれています。
また西側の天井にも同じくフェルディナンドの結婚を
ゼウスの結婚になぞらえた作品が飾られています。

1階部分はフランス・アカデミーの公の顔を持つ部分で
館長の書斎、控えの間、
パーティなどが行われる部屋、そして音楽の間。
実際に数週間前まではミッテラン館長が利用していた
書斎も公開されていますが、
いずれもシンプルでありながら
ところどころに考古学的な価値のある彫像や
1700年代のタペストリーなどがさりげなく飾られています。

特に著名な作品を所有しているというわけではないのですが、
館長を務めたBalthusのデッサンや
歴代の奨学生たちの作品などに触れることもできますし
期間限定初公開ということもあるので、
ローマ滞在中に足を運ばれるのもオススメです。

Mercurio

庭園からのローマ市街の眺めも必見。

Veduta_venezia

Veduta_panorama

Veduta_vaticano

Villa aperta
会期:2009年7月10日から2009年9月20日
開館時間:火曜日-金曜日10:00-13:30、15:00-19:00
     土曜日・日曜日10:00-19:30
休館日:月曜日
入場料:12,00ユーロ
詳細インフォメーション:http://www.villamedici.it